令和最高となる視聴率32.7%を叩き出し、新ドラマがスタートしてなお、惜しむ声が止まない『半沢直樹』(TBS系)。今作でも圧倒的な存在感を見せ、もはや堺雅人(47)と並ぶ“主役”となったのが、大和田常務役の香川照之(54)だった。
「この作品にかける香川さんの意気込みは半端なく、自らアドリブで入れたという『お・し・ま・い……DEATH!』『死んでも嫌だねーーー!』など数々の名台詞を生み出しました。とくに最終回で半沢と別れる場面では、『ライバルとして最高にカッコいい』と視聴者から絶賛を受けました」(テレビ局関係者)
この香川の熱演の陰には、ある思いがあったという。梨園関係者が語る。
「父親である二代目市川猿翁(80)から『半沢でのあなたの演技はいい』と褒められたんです。猿翁さんはドラマを毎回欠かさず見て、香川さんの演技を丁寧にチェックしていたと言います」
2013年に放送された前作の時から猿翁は香川の演技に注目していたという。
「初めて猿翁さんから『半沢の演技はいいね』と褒められた時、香川さんは感極まり、『お父さん、ありがとうございます! 私は死ぬ気でがんばります!』と、号泣していました。その思いを胸に今作に臨んだと聞いています」(同前)
香川と父・猿翁との関係は複雑だ。女優の浜木綿子(84)と結婚した猿翁は、香川が生まれた直後に女優で日本舞踊家の藤間紫(享年85)と駆け落ち同然の暮らしを始め、後に浜とは離婚。
俳優デビュー後も絶縁関係は続いていたが、2000年に紫の仲介により、父子は再会を果たす。そして香川は2012年、市川中車を名乗り歌舞伎界入りした。
その翌年に出演した『半沢直樹』は、香川にとって初めて父から役者として褒められた記念碑的作品だったのだ。