「菅さんにドンドコドンドコ言われてさー」。酔った勢いで上司への愚痴をこぼすなどありふれた光景だが、この発言の主は現職大臣。つまり、話に出てくる「菅さん」とは、首相の菅義偉氏に他ならない。
東京・恵比寿にある瀟洒なフレンチレストランでウイスキーのロックを呷っていたのは平井卓也・デジタル改革担当相(62)。菅首相肝煎りのデジタル庁新設を託された目玉大臣だが、この日は同僚議員を相手に少々口がなめらかになっていたようだ。
「事務所に菅さんから電話が入って『大臣頼む』って一言。冗談かと思ってすぐに電話かけ直したよ」
と就任時のことを誇らしげに語り出したのもつかの間、冒頭の愚痴が飛び出した。
「菅さんマジ厳しいぜー……世間を味方に付けて立ち上げたもののさ……政務官が使えないんだよね……」
半個室の外にまで漏れ聞こえるほどの声量だった。
ちょうどその日(9月29日)の昼、平井氏はデジタル庁のスローガンを「ガバメント・アズ・ア・スタートアップ」に決定。会見で「略称は(頭文字をとると)ガースーとなる」と首相の愛称でゴマをすったが、夜になると「俺の遊びだけど。ガースー、ハハハハハ」といじっていた。