《赤ちゃん30人誕生。70名強に提供→180cm/A型/二重/院卒》
《大卒で体育会系、現在は制服職です。健康で高身長、スポーツ万能な遺伝子はいかがですか?》
ツイッター上でこんなプロフィールを公開する男性たちがいる。彼らが自らをアピールするのは恋人や結婚相手を求めるためではない。
いま、インターネット上で子供を望む女性に対し、精子を提供する男性がいるという。この動きはSNSに留まらず、年齢、血液型、最終学歴などを選べるマッチングサイトも登場している。精子提供のマッチングサイト『ベイビー・プラチナパートナー』を運営するSさん(40代男性)はこう語る。
「もともとは私自身が精子提供をしていたのですが、依頼件数が増えて対応しきれなくなり、3年ほど前にサイトを立ち上げました。現在は3000人以上がドナー登録をしていて、月に60~100件ほど、新規の問い合わせがあります」
実は第三者から精子提供を受けて妊娠するという方法は、長く行われてきた。AID(非配偶者間人工授精)と呼ばれるもので、日本では1948年に初めて実施されている。
「日本産科婦人科学会の見解では、提供を受ける側は、法律的に婚姻している夫婦であることを示すため、医療機関へ戸籍謄本を提出することが望ましいとされています。つまり、既婚者でないとAIDは受けられないのです」(医療関係者)
冒頭のようなインターネットを介した精子提供は、医療機関を通さないもので、つまり認められたものではない。一方で、取り締まる法律もない。“パートナーは必要ないが、シングルマザーで子供を産みたい”“同性婚で出産したい”という人たちが、あくまで自己責任の上で“強行”しているものだという。実際に精子提供を受けた神奈川県在住の女性Aさんが胸の内を明かす。
「35才になっても独身で、ここから恋人を探し、結婚し、妊娠と考えると、高齢出産になりリスクも増えていく。まだ見ぬ旦那さんを探すのにも疲れたときに、精子提供のことを知りました。排卵日に合わせて提供を受けるのですが、1回ではうまくいかず、7回ほど提供を受け、晴れて今年の5月に妊娠しました」