スポーツ

無敗の3冠がかかる秋華賞 「サンデーの奇跡」に敬意を

舞台は京都競馬場

 無敗の3冠がかかるレース、競馬ライターの東田和美氏は「血脈」に注目した。

 * * *
 今年の3歳が初年度産駒のエピファネイアは、当初からサンデーサイレンスの孫、つまりディープインパクトやハーツクライ産駒の優秀な牝馬につければ、生まれてくる子は4×3、つまりサンデーサイレンスの「奇跡の血量」を持つことになると話題になっていた。日本競馬を変えた大種牡馬が旅立って18年、ついにそんな時代になったのだ。

「奇跡の血量」を持ってこれまで秋華賞に出走してきた馬はこれまでも何頭かいる。2017年のミリッサ(8着)、ヴゼットジョリー(11着)、レーヌミノル(14着)がいずれもHaloの血が18・75%、2016年のレッドアヴェンセ(5着)はLyphardの、2015年のトーセンビクトリー(8着)はNureyevの、レッツゴードンキ(17着)はMr. Prospectorの「奇跡の血量」を持っていた。また2013年に15番人気で3着に激走したリラコサージュはHail to Reason(Haloの父)の3×4だった。

 勝ち馬では2008年に11番人気だったブラックエンブレムがMr. Prospectorの3×4だが、3歳牝馬GⅠが一筋縄ではいかないと最初に印象付けたのが第4回(1999年)のブゼンキャンドル。ローズS3着でようやく出走権を獲得して12番人気で勝ち、2着にも10番人気馬が入って馬連が9万4360円もついた。この馬の父がモガミ、母の父アスワン、その父ノーザンテースト。日本でおなじみの種牡馬による配合だが、つまりはNorthern Dancerの3×4だ。10番人気以下で勝ったのは3頭しかいないが、そのうち2頭が「奇跡」を持つ馬だった。

 ということで、秋華賞ではこれからの時代を支配していくであろう「サンデーの奇跡」に敬意を表する。無敗の3冠がかかるデアリングタクトは最後の直線での脚が凄まじいが、2冠は阪神外回りと東京、さらにその前のエルフィンSも京都競馬場の外回りだった。京都の内回りは直線が328mしかなく、ある調教師が「くるくる回る感じ」という言い方をしているコース。当然、先行勢が有利と言われており、仕掛けどころがカギとなる。「史上初」の重圧は半端なものではないはずだが、松山騎手は今年単勝1倍台の1番人気馬に13回騎乗していて6勝、着外がなく堅実だ。

 同じエピファネイア産駒のムジカはサンデーだけではなく、Sadler’s Wellsの「奇跡」も兼ね備えている。実績的には物足りないが、ブゼンキャンドルのように大舞台でその血が爆発することがないだろうか。 

 余談だがクラヴェルの除外は残念。母と祖母がともに重賞3勝というバリバリのサンデー系エリート。よくなるのは古馬になってからとのことで、トライアルを使わなかったが、このパターンが「奇跡」のスタンダードになっていきそうだ。

 G1馬ブラストワンピースの半妹ホウオウピースフルはオルフェーヴル産駒だが、祖母の父がフジキセキ。1歳上の姉ヴィクトリアピース共々、サンデーの「奇跡」の持ち主だ。父オルフェーヴルもノーザンテーストの「奇跡」を持っている。

 前走の大敗は気がかりだが、ブラックエンブレムもローズS15着で人気を落としていた。新馬戦ではミヤマザクラを破り、フローラSでは、ウインマリリンと同タイム。そして現在5連勝中のノーザンファーム生産馬だ。

関連記事

トピックス

アメリカの実業家主催のパーティーに参加された三笠宮瑶子さま。写っている写真が物議を醸している(時事通信フォト)
【米実業家が「インスタ投稿」を削除】三笠宮瑶子さまに海外メーカーのサングラス“アンバサダー就任”騒動 宮内庁は「御就任されているとは承知していない」
NEWSポストセブン
11月に不倫が報じられ、役職停止となった国民民主党の玉木雄一郎代表、相手のタレントは小泉みゆき(左・時事通信フォト、右・ブログより)
《国民・玉木代表が役職停止処分》お相手の元グラドル・小泉みゆき「連絡は取れているんですが…」観光大使つとめる高松市が答えた“意外な現状”
NEWSポストセブン
10月末に行なわれたデモ。参加者は新撰組の衣装に扮し、横断幕を掲げた。巨大なデコトラックも動員
《男性向けサービスの特殊浴場店が暴力団にNO!》「無法地帯」茨城の歓楽街で「新撰組コスプレ暴排デモ」が行なわれた真相
NEWSポストセブン
秋田県ではクマの出没について注意喚起している(同県HPより)
「クマにお歌を教えてあげたよ」秋田県で人身被害が拡大…背景にあった獣と共存してきた山間集落の消滅
NEWSポストセブン
姜卓君被告(本人SNSより)。右は現在の靖国神社
《靖国神社にトイレの落書き》日本在住の中国人被告(29)は「処理水放出が許せなかった」と動機語るも…共犯者と「海鮮居酒屋で前夜祭」の“矛盾”
NEWSポストセブン
公選法違反で逮捕された田淵容疑者(左)。右は女性スタッフ
「猫耳のカチューシャはマストで」「ガンガンバズらせようよ」選挙法違反で逮捕の医師らが女性スタッフの前でノリノリで行なっていた“奇行”の数々 「クリニックの前に警察がいる」と慌てふためいて…【半ケツビラ配り】
NEWSポストセブン
「ホワイトハウス表敬訪問」問題で悩まされる大谷翔平(写真/AFLO)
大谷翔平を悩ます、優勝チームの「ホワイトハウス表敬訪問」問題 トランプ氏と対面となれば辞退する同僚が続出か 外交問題に発展する最悪シナリオも
女性セブン
2025年にはデビュー40周年を控える磯野貴理子
《1円玉の小銭持ち歩く磯野貴理子》24歳年下元夫と暮らした「愛の巣」に今もこだわる理由、還暦直前に超高級マンションのローンを完済「いまは仕事もマイペースで幸せです」
NEWSポストセブン
医療機関から出てくるNumber_iの平野紫耀と神宮寺勇太
《走り続けた再デビューの1年》Number_i、仕事の間隙を縫って3人揃って医療機関へメンテナンス 徹底した体調管理のもと大忙しの年末へ
女性セブン
白鵬(右)の引退試合にも登場した甥のムンフイデレ(時事通信フォト)
元横綱・白鵬の宮城野親方 弟子のいじめ問題での部屋閉鎖が長引き“期待の甥っ子”ら新弟子候補たちは入門できず宙ぶらりん状態
週刊ポスト
大谷(時事通信フォト)のシーズンを支え続けた真美子夫人(AFLO)
《真美子さんのサポートも》大谷翔平の新通訳候補に急浮上した“新たな日本人女性”の存在「子育て経験」「犬」「バスケ」の共通点
NEWSポストセブン
自身のInstagramで離婚を発表した菊川怜
《離婚で好感度ダウンは過去のこと》資産400億円実業家と離婚の菊川怜もバラエティーで脚光浴びるのは確実か ママタレが離婚後も活躍する条件は「経済力と学歴」 
NEWSポストセブン