日本水泳連盟から年内活動停止処分を下され、瀬戸大也(26)が崖っぷちに追いこまれている。東京五輪競泳の金メダル候補は、不倫スキャンダルで所属先のANAから契約を解除され、「インセンティブも含めれば年1億円近くあったといわれる活動費を失った」(五輪担当記者)という状況だ。
企業との契約はプロアスリートの選手生命を左右する問題だ。ただ、瀬戸の場合、“本業”の成績が振るわなかったわけではない。
「企業が大切にするのは“イメージ”。不祥事への厳しい対処はこの世界の常識になっている」(同前)
瀬戸をはるかに凌ぐ名声を手にしていたゴルフのタイガー・ウッズの不倫、セックス依存症スキャンダルが2009年に発覚した時のことを見てもそれは明らかだ。当時、ウッズには年8000万ドルのスポンサー契約収入があったとされる。
「ほとんどが蜘蛛の子を散らすように逃げていった。オフィシャル・スポンサー12社のうち、高級時計タグ・ホイヤー、コンサル大手アクセンチュア、通信大手のAT&Tなど名だたる企業との契約は相次いで打ち切りに。
ただ、スポーツメーカーのナイキは変わらずウッズを支え続けた。2011年には、日本の興和が、鎮痛消炎薬『バンテリンコーワ』のCMにウッズを起用し“スキャンダル後、初のスポンサー契約”として話題になった」(スポーツビジネスに詳しい経営コンサルタント)
スポーツ選手の不祥事への反応は企業によって分かれるが、「許す/許さない」の境界線は一体どこにあるのか。