機能、宣伝広告、営業戦略……ヒット商品を決める要素は数多あるが、“色”もまた人を惹きつけるうえで欠くべからざるファクターといえる。自動車の人気の“色”は、時代を映し出している。
日本流行色協会の調査によれば、近年の自動車の色は白、シルバー、黒などの無彩色が8割近くを占めているが、驚くことに1970~1971年には8割弱が有彩色で、黄色系が3割強を占めていたという。時代とともに移り変わるクルマと人気色について振り返る。
●若者たちがときめいた鮮やか“レッド”「ファミリア」(マツダ)
「一家に一台」から「個人所有」の時代に移り変わることを読み、1980年に若者向けのスポーティーで鮮やかな“赤”を使用して大ヒット。1983年には赤の車体が20%にのぼった。
●純白の車体に誰もが憧れた「ソアラ」(トヨタ)
1981年発売。黄みがかった従来の白と異なり,限りなく純白に近い“白”の車体を投入して高所得者層から人気を得る。このヒットが波及し、1985~1986年には国産乗用車生産の約75%はホワイトに。