放送作家、タレント、演芸評論家で立川流の「立川藤志楼」として高座にもあがる高田文夫氏が『週刊ポスト』で連載するエッセイ「笑刊ポスト」。今回は、裏口入学報道裁判、裏口から裁判所、事務所に裏から入って映画主演など日本大学芸術学部の後輩たちについてつづる。
* * *
日大芸術学部の後輩である爆笑問題が、また問題。「日芸裏グチ入学報道裁判」で出廷した太田光、前日から真面目そうな若手弁護士と打ち合わせ。「いいですか太田さん、表から入るとマスコミがいっぱいいますから裏から裏から入りましょう」。当人は何も気付いてないようで「いいですネ、裏から裁判所に入りますよ」。太田「こいつはわざと言ってんのかな」と思ったとか。
1週間前に私の所に手紙がそっと来て「やっぱり何か言いたくなっちゃいそうで……ここはひとつ高田チルドレンとしては“名前は”ときかれたら“伊勢谷友介です”と言ってもいいでしょうか」色々様々大真面目に考えた上でのあの“伊勢谷発言”なのだ。こういう少しふざけた照れもひっくるめての大マジが丸々太田光なのだ。
5年前か。日芸の落研の打ちあげがあって久しぶりに大OBとして顔を出し上座で威張って呑んでいると、ひとりの若者が土下座気味にやってきて、口を半開きにして「お願いが……」またこれだ。30年以上も前にもこんな事があって頭を下げられ「談志師匠の所へ連れてって下さい」。これが今の立川志らく“グッとラック”である。この男もそうかなと思ったら、竹内一希と名乗る学生「爆笑問題が好きで、センセーのお力でどうか事務所のタイタンにウラから入れてもらえませんか」だと。
私が太田に口をきき、ウラから竹内はタイタン入りし爆問の下で勉強し、いきなり今回映画の主演である。新宿武蔵野館ほかでこれから全国順次公開。竹内の相方は田中永真。コンビ名は「まんじゅう大帝国」。映画タイトルを忘れてた、『実りゆく』である。題字は太田光が書いた。日大表から出て事務所にウラから入り、看板の太田はさんざんな書かれよう。