神妙な表情を浮かべた中居正広(48才)が言葉を発する。しかし、肝心な音声は聞こえてこない。代わりに流れたのは《個人的なことなので詳細は放送できないが、中居が伝えたのは、事務所を去った郷へのジャニー喜多川の深い愛情》というナレーション。その後に映し出されたのは、目を真っ赤にして涙を流す郷ひろみ(65才)の姿だった。
「どんな話だったのか気になってしょうがない。号泣するほどの愛情って何なのか……」(郷ひろみのファン)
そこで明かされた恩師との深く、固い絆とは──。
コロナ禍で延期になっていた全国ツアーを10月1日からスタートさせた郷。10月18日には65才の誕生日を迎え、当日は自身初となるインターネットでの配信ライブを行った。
「今年6月には、著書『黄金の60代』(幻冬舎)を発売しました。それは、郷さんの日頃の考え方や行動について雑誌で連載していたエッセイを収録したものです。10代の頃の話や近年のトレーニング方法なども紹介されています。最近の郷さんは、来年、芸能生活50周年の節目を迎えるにあたり、過去を振り返りつつあるように感じます」(芸能関係者)
著書だけではない。半世紀にわたり芸能界の最前線で活躍してきた郷が、その芸能生活について深く踏み込んだのが、10月9日に放送された『中居正広のキンスマスペシャル』(TBS系)だ。
郷が芸能界でのスタートを切ったのは1971年、ジャニーズ事務所だった。オーディション会場でジャニー喜多川さん(享年87)に見いだされ、とんとん拍子にデビューが決まる。「郷ひろみ」という芸名も、ジャニーさんが考えたものだった。
「当時、ジャニーズ事務所は所属タレント10人にも満たない小さな事務所でした。郷さんは仲間たちと合宿生活を送っていましたが、ジャニーさんは郷さんだけを特別扱いし、食事もほかの合宿生とは違う豪華なものを与えていた。しかし、褒められたことはなく、いつも怒られていたそうです。それだけ郷さんへの期待が高かったということなのでしょう」(テレビ局関係者)
ジャニーさんについて郷は『黄金の60代』で、《傍らにはいつもジャニー喜多川さんがいてくれた。僕にとってその存在は、師であり、芸能界の生みの親でもあった。なので、ジャニーさんのいうことはすべて僕には正しく、教わることの一つひとつが確実に僕の脳にインプットされていった》と回顧している。しかし、デビューから3年後、郷は恩師のもとを離れ、事務所を移籍する。その真相について郷は初めて番組内で、こう明かした。
「ジャニーさんの目の届くところで自分が成長していくよりも、違うところで自分自身を成長させていかなきゃいけないのかなって」
番組では、中居がジャニーさんと郷をつなげようとしていたことも明かされた。6年ほど前のNHK紅白歌合戦のリハーサルで、郷と会った中居は元気がなくなってきたジャニーさんを気遣い、「電話して声を聞かせてあげてほしい」とジャニーさんの携帯電話の番号を郷に教えたという。音楽プロデューサーの酒井政利さんが明かす。