新型コロナウイルスの感染拡大により、皇后雅子さまのお姿を、直接目にする機会が少なくなって久しい。それでも、「国民の中に入っていく」皇室であるために──雅子さまの模索と葛藤の日々が続いている。
異例の注意喚起だった。
「皇室に関する行事で感染が広がると、両陛下が国民に申し訳なく思われます。国民のことを強く心配されている両陛下のためにも、ご協力をお願いします!」
10月17日、秋の実りに感謝する宮中祭祀「神嘗祭賢所の儀」が皇居で挙行された。皇居・半蔵門前には、出席される天皇皇后両陛下や皇族方をひと目見ようと多くの人が集まっていた。警備にあたる警察官は、一人ひとりが距離を保つよう、冒頭のような言葉を繰り返した。
実は、神嘗祭賢所の儀は、長らく皇后が出席されてこなかった行事だという。
「上皇后美智子さまは皇后時代、2008年を最後に、賢所で行われる儀式には出席されず、御所でご遥拝をされていました。70才を越えられたこともあり、お体へのご負担軽減などを考えてのことでしょう。雅子さまも昨年までは出席されておらず、今回出席されたことで実に12年ぶりの皇后陛下のご出席となりました」(宮内庁関係者)
昨年は御代がわり行事が続き、お疲れもあっただろう。だが今年は、美智子さまもご自身も出席できていなかった儀式に出られるほど、ご体調を整えられているようだ。
「雅子さまは近頃、御所で過ごされる時間を利用して、体調管理に努められているそうです。週末には赤坂御用地内を散策されることもあり、散歩というよりは、ジョギングに近いかなりの早歩きのようです。意識して、足腰を鍛えていらっしゃるのではないでしょうか」(皇室記者)
10月6日には、天皇陛下と愛子さまと皇居を訪れられ、笑顔を見せられていた。
「ご一家は、お住まいとして改修中の旧吹上仙洞御所内を見学されました。工事中の現場などにも足を運ばれ、室内を確認されたそうです。雅子さまはお引っ越しをたいへん楽しみにされているようで、お部屋から眺める皇居の景色を積極的にご覧になっていたようです」(前出・皇室記者)
美智子さまもご出席できなかった儀式へのご出席をきっかけに、体調不良から「再起」の兆しが見えてきた。ただ、そんななかでも雅子さまはまだ、ある「ジレンマ」を抱えていらっしゃるという。
秋篠宮家に比べると確かに控えめ
雅子さまが抱えられる葛藤──それは、皇室の「発信の場」が少ないことだという。これまで、両陛下は各地に足繁く通われ、そのお姿を直接国民に見せられることで、「国民の中に入っていく」皇室を体現されてきた。だが、いまは新型コロナの影響でそうした機会は失われつつある。