国内

怒鳴られても客引きを続ける男の言い分「他に仕事ないっす」

各地の繁華街で客引きへの注意喚起が繰り返されている(時事通信フォト)

各地の繁華街で客引きへの注意喚起が繰り返されている(時事通信フォト)

 客引き行為、いわゆる「キャッチ」は風俗業なら風俗営業法で禁じられ、繁華街を持つ多くの方自治体の迷惑防止条例でも路上など公共の場所での客引きが規制されている。キャッチが規制されている理由としては、路上で進路を妨害する呼びかけが迷惑なだけでなく、彼らが紹介する店と客とのトラブルが頻発するからである。新型コロナウイルスの感染拡大のため世界中の生活が一変するなか、繁華街を根城としていた「キャッチ」たちはどうしているのか。ライターの森鷹久氏が、ある繁華街でのキャッチの様子をレポートする。

 * * *
「マジで助けてくださいよ、タバコも吸えますんで……」

 通行人に食い下がる金髪の若い男性の後ろで、市の委託を受けた警備服の男性が拡声器で怒鳴り上げる。

「違法なキャッチは無視してください! キャッチがいないまともな店に行きましょう!」

 千葉県F市の繁華街では、毎夜こうして若いキャッチと、注意を促す警備員との応酬が繰り広げられ、通行人や客、地元商店街の人々が辟易している。この一場面だけを切り取ってみれば、キャッチの若い男がいじめられているようにさえ見えるが「キャッチ=客引き」は、市の条例でも明確に禁止されている。にもかかわらず、繁華街のあちこちにキャッチの姿が目立つ。

「コロナ禍以前からキャッチが邪魔でしょうがなかったですが、コロナで客が減ると、キャッチは余計にウザくなりましたね。若い女のキャッチなんか、おっさんの腕を掴んで強引に店まで引っ張っていく(笑)。しかも連れて行かれた先は、薄い味のビールしか出てこず、つまみは割高、いわゆるプチぼったくり店なんです」

 こう証言するのは、地元で居酒屋を営む冨田晋助さん(仮名・40代)。もちろん、冨田さんの店ではキャッチの世話にはなっていないが、以前はキャッチの世話にならないと「店を潰す」と脅されたこともあったと話す。

「暴力団のみかじめ料規制が厳しくなって、今度はヤクザがバックについたキャッチ屋が、商店に金を要求するようになってきたんです。まともな店はキャッチを使っていませんし、キャッチが連れていく店は全てまともではない、これだけは覚えておいて欲しいです」(冨田さん)

関連記事

トピックス

田村瑠奈被告(右)と父の修被告
「ハイターで指紋は消せる?」田村瑠奈被告(30)の父が公判で語った「漂白剤の使い道」【ススキノ首切断事件裁判】
週刊ポスト
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
暴力団幹部たちが熱心に取り組む若見えの工夫 ネイルサロンに通い、にんにく注射も 「プラセンタ注射はみんな打ってる」
NEWSポストセブン
10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
宇宙飛行士で京都大学大学院総合生存学館(思修館)特定教授の土井隆雄氏
《アポロ11号月面着陸から55年》宇宙飛行士・土井隆雄さんが語る、人類が再び月を目指す意義 「地球の外に活動領域を広げていくことは、人類の進歩にとって必然」
週刊ポスト
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
佐々木朗希のメジャーでの活躍は待ち遠しいが……(時事通信フォト)
【ロッテファンの怒りに球団が回答】佐々木朗希のポスティング発表翌日の“自動課金”物議を醸す「ファンクラブ継続更新締め切り」騒動にどう答えるか
NEWSポストセブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン