体調の異変は顔に現れるもの。もしも「老け顔」を指摘されたら、スマホによる影響があるかもしれない。ちくさ病院の総合内科医・近藤千種さんはいう。
「スマホを使う際、長時間小さな画面を凝視し続けるため、目を動かす筋肉を使わなくなり目元への血行が悪くなる。血流が減ると酸素や栄養分が届かなくなり、老け顔の原因となるしわやくまが生じやすくなります。
また、スマホにばかり目を向けていると無表情で過ごす時間が増えるので、顔の皮膚や脂肪を支える筋肉は衰え、顔のたるみやほうれい線にもつながります」(近藤さん・以下同)
そもそも、下を向いてスマホを操作する姿勢は、それだけで首のしわの原因になる。さらに顔をしかめるようにしながら小さな文字を長時間見続けることで、眉間や額にもしわが寄る。
さらにスマホの使いすぎは睡眠不足を招き、体にさまざまな弊害を及ぼすという。
「夜にブルーライトを多く浴びると、網膜への刺激によって脳が昼間だと誤認し、『睡眠ホルモン』とも呼ばれるメラトニンの分泌の抑制につながります」
ブルーライトはパソコンやテレビ画面からも出ているが、スマホは至近距離で見ることが多く、その分、受けるダメージも大きいという。
「ついつい寝る前にスマホを見てしまうという人は多いですが、それにより脳が覚醒して深い眠りが阻害されることになります。結果、成長ホルモンの分泌が抑制され、全身の細胞の新陳代謝が低下する。睡眠に入ってから3時間ほどが“美肌のゴールデンタイム”といわれますが、その間に深い眠りに入れず、肌の老化が進む原因にもなるんです」