卵がコレステロール値を上げるという考え方は、ロシアの学者がウサギに卵を与えたらコレステロール値が上がり動脈硬化が進行したと報告したことに端を発しています。この研究のおかしなところは、ウサギが食べることのない卵を食べさせていることです。まず、ウサギは草食動物であり、そもそも動物性食品を与えれば特異な結果が出るのは不思議でなく、それを人間にあてはめることはできません。
実際には、卵はコレステロール値を上げません。むしろ下げるくらいです。私の知人のアメリカ人医師は、毎日複数個の卵を2週間食べ続けたらコレステロール値が下がったと言っています。
次に、コレステロールはほとんど(85%)が肝臓でつくられており、食べ物にさほど影響されません。
さらに言うと、そもそもコレステロール値が高いことを心配する必要がありません。コレステロールはビタミンDやホルモンの材料となり、健康を維持する上で重要な働きをしています。「コレステロール値は低く抑えたほうがいい」ということ自体、あまりにも古い幻想なのです。
なお、卵を食べるときは、オムレツや卵焼きよりも、黄身を加熱しすぎない半熟卵のほうが消化・吸収がいいのでおすすめです。温泉卵もいいでしょう。
【絶対食3】緑の濃い野菜
食事で摂るべき緑黄色野菜について、働き盛り世代の男性はまず「足りていない」と考えていいでしょう。積極的に摂って欲しいのが、マグネシウム豊富な緑色の濃い野菜です。具体的には、ほうれん草、春菊、ブロッコリー、ケール、小松菜などです。
マグネシウムの重要性については拙著『世界最新の医療データが示す最強の食事術』で詳しく解説していますが、現代日本人の多くがマグネシウム不足になりやすい食生活をおくっていることは否めません。
また、別図を見ていただければわかるように、最近の野菜にはマグネシウムをはじめとしたミネラルがとても少なくなっています。
1940年代に、野菜も大量生産が始まり、そこでは人工的な農薬や肥料がたくさん使われました。それによって、早く野菜が大きくなり、人々の手元には届いたかも知れません。しかし、土壌は化学農法によって変質し、ミネラルが大幅に失われてしまいました。