映画『劇場版「鬼滅の刃」 無限列車編』が、公開からわずか10日間で興行収入100億円を突破した。コラボ商品やグッズが飛ぶように売れ、その絶大な経済効果は「キメツミクス」と呼ばれるほどだ。その主演声優、花江夏樹にも注目が集まっている。
アニメ『鬼滅の刃』の主人公・竈門炭治郎役を演じる花江夏樹は29歳で、声優としては若手に近い年齢でありながら、超エリートとも言えるキャリアを歩んできた。
まず養成所に通っていないというのが驚きだ。現代では、声優になりたいなら、まずどこかの声優養成所や専門学校に通うのが王道だが、経済的に余裕のなかった花江は、ほとんど独学の状態で、いきなり事務所にボイスサンプルなどを送ったという。そこで縁がつながり、預かり契約を経て、後に正式所属となる異色の道筋を歩んだ。
『東京喰種トーキョーグール』の金木研役、『四月は君の嘘』の有馬公生役などが好評を博し、2014年には、「第9回声優アワード」にて新人男優賞に選出された。そして、2016年4月からはテレビ東京系『おはスタ』の番組MCに就任し、“小学生の朝の顔”になった(今年10月2日に卒業)。上り調子のさなかにある2016年8月、結婚を電撃発表して声優ファンたちを驚かせた。
声優業界では、とくにアイドル的な売り方をしているわけではなくとも、熱狂的なファンやアンチの目を意識して、結婚などのプライベートを非公表にする例が多い。今年7月にあるベテラン男性声優が既婚者であることが報じられた際、本人は「結婚当初、生活の安全を脅かされる文書が頻繁に届く事があり、公表しないほうが安全を守れると思いました」などと結婚を非公表にしていた理由を説明していた。芸歴数十年のベテランでさえ結婚の事実を隠す世界で、若手のホープである花江が結婚を自ら発表したことには、「珍しいパターンだ」と驚く声が当時多かった。
ラジオ番組やSNSで妻の話題を出すことも多い花江だが、人気を落とすどころか、むしろ「愛妻家」としてファンに好意的に受け止められているようだ。今年9月には、双子女児が誕生したことも報告。さらに10月16日、娘たちにミルクをあげている自身の写真をTwitterに投稿したところ、「花江パパも双子ちゃんもかわいい」「癒される」といった称賛の声が寄せられ、50万近い「いいね」を記録した。