「ゲイの青年をナイーブに演じた映画『怒り』や『影裏(えいり)』から、暴走警官を怪演した『日本で一番悪い奴ら』、ポジティブキャラに扮したドラマ『MIU404』など、作品ごとに全く異なる表情を見せながら、それでいて常に全力投球。駆け出し時代には、とにかく経験値を積もうと自ら現場を回りまくったそうですが、そうした努力の成果と、演技への真摯な姿勢がスクリーン越しにも感じられます。メジャーな娯楽作品からインディペンデント系のアート作品までフィールドを選ばない活躍ぶりも、彼の特長といえます」(SYO氏)
また、SYO氏は関係者向けの試写会で一足早く映画『ヤクザと家族 The Family』を鑑賞。そこでの綾野剛の演技について、物語のネタバレを避けつつ次のように語った。
「『ヤクザと家族 The Family』では、3つの時代を生き抜くヤクザの、青年期から中年期までを演じ切りました。演技のグラデーションはもちろん、激しいアクションシーンも体当たりで挑んでおり、現時点での彼のマスターピースといえるかもしれません」
2003年に『仮面ライダー555』(テレビ朝日系)で俳優としてデビューして以降、数多くの映画やテレビドラマで活躍してきた綾野剛。18年目にして新たな最高傑作と言いうる作品が誕生することになりそうだ。
●取材・文/細田成嗣(HEW)