元関脇・嘉風(現・中村親方)が地元の大分県佐伯市に「引退を余儀なくされたのは、昨年6月に同市が誘致した合宿でのケガが原因」と、約4億8100万円の損害賠償を求めた訴訟では、市も争う姿勢を示しており、収束の糸口は見えない。
昨年9月の引退会見では「誰も憎んでいません」と答えていたことから、苦渋の決断が窺えるが、嘉風はもう1つ深刻な“係争”を抱えていた。12年連れ添った夫人との離婚問題だ。
嘉風は2008年、生け花デザイナーだった女性と結婚。その後、2人の子宝に恵まれた。
「3歳年上の姉さん女房で、交際当初から嘉風がぞっこん。部屋の近所や両国周辺に住む関取が多いなか、嘉風は夫人の希望で二子玉川(世田谷区)に住み、40分以上かけて電車で清澄(江東区)の尾車部屋まで朝稽古に通っていたほど。昨年9月の引退会見にも家族が同席していて、夫婦仲は良好そうだった」(相撲ジャーナリスト)
そんな夫婦に何があったのか。亀裂が表面化したのは今年の7月中旬。嘉風一家が住むマンションに警察が駆けつける騒ぎがあったという。夫妻をよく知る角界関係者が語る。
「嘉風が育児で夫人を注意したところ、夫婦喧嘩がエスカレートし、夫人が110番したようです。双方が事情聴取を受け、その後は一時的に嘉風が子供2人を引き連れて大分の実家に戻りました」
しばらくして3人が東京に戻っても夫婦関係の修復には至らなかった。嘉風は新たにマンションを借り、子供2人と暮らすようになったという。
「“子供を巻きこむのは間違っている”と、夫婦は子供が転校せずに済む近隣での別居を決めたと聞いています。
現在は双方が弁護士を立てた離婚調停が始まっていますが、財産分与や子供の親権など条件面での溝は深く、今後、裁判に発展する可能性もある」(同前)