大ブームとなっている『鬼滅の刃』は、公開24日で興行収入204億円、動員数1537万人と、まさに社会現象となっている。その『鬼滅』について「まだ見てないの?」「なんで見ないの? 面白いのに」などとファンから責められる“鬼滅ハラスメント”が話題になっているが、一部では、“逆キメハラ”なる別の問題が勃発しているようだ。
『鬼滅』の大ファンだという都内在住の20代女性が語る。
「一緒に住んでいる父が、映画でブームになってから気になったのか、リビングに置いてある漫画を勝手に読み始めたんです。そして聞いてもいないのに感想を言ってきて、『なんで主人公(竈門炭治郎)は鬼に家族を殺されて復讐しているはずなのに、死に際の鬼に同情したりするんだ』とか言ってくるんです……。鬼になってしまった側の心情も描かれているところがいいんだと説明しても、『俺には理解できない』『すぐトドメを刺せばいいじゃないか』の一点張りで。“それなら読むなよ”って思って、すごく腹が立ちました」
このように、ブームに乗って『鬼滅』に触れ、「面白くない」「理解できない」など言ってくるケースが相次いでいるのだ。コミックスを揃えたりアニメを何度も見返したりしているコアなファンが、最近になって『鬼滅』を知った人から批判されたらイラッとくるのはわからなくもない。
都内在住の30代主婦も、夫の“逆キメハラ”に遭ったと語る。映画のストーリーの鍵になる登場人物で、鬼を倒す「鬼殺隊」の幹部である煉獄杏寿郎(れんごく・きょうじゅろう)をバサッと批判されたのが辛かったという(以下、映画を見ていない方はネタバレ注意)。
「私は『鬼滅』の大ファンで、『映画を観に行きたい』って夫に言ったら、珍しく『俺も気になっていたから一緒に観に行こう』って言ってくれたんです。私はすごく感動して、特に煉獄さんの大ファンなので、炭治郎たちを守って戦って倒れたところで泣きそうになったと夫に伝えたら、『でもさぁ』って言い出して。『そもそも彼が寝ちゃったから危機に陥ったんだから、リーダーとしてのミスなんじゃないか』って冷めた口調で理屈をこねるんです。『私が好きなんだから別にいいじゃん!』って怒って、帰ったあともイライラしてしまいました」
似たようなケースは家庭内だけではなく、職場でも起きている。百貨店勤務の30代女性が語る。