プロ野球はいよいよレギュラー・シーズンも残すところわずかになったが、コロナの影響で各球団とも経営的には苦しい一年となった。来季に向けて契約更改やトレード・FAの話題も出始めているが、その際に重視されるが「コストパフォーマンス」だ。
年俸の安い若手が活躍すればコストパフォーマンスが良いのは当たり前。2018年オフに巨人の岡本和真が1200万円(推定。以下同)から567%アップ(6800万円増)の8000万円でサインするといったようなことも起きる。
逆に、最もコスパの悪い選手は一軍戦に出場しなかった選手だが、今年も年俸5億円で3年契約(2年目)のサファテ(ソフトバンク)のような選手もいた。2018年に受けた股関節手術の影響で、2年間登板ゼロが続いている。サファテはすでに引退を示唆しているが、こうした選手のシーズンオフはいばらの道が予想される。
打者では、同じくソフトバンクの内川聖一も年俸2億4800万円を貰いながら、一軍戦には出場していない。他に年俸1億円以上で一軍戦に出場していないのは、投手では野上亮磨(巨人=年俸1億5000万円・3年契約3年目)、スチュワートJr.(ソフトバンク=1億1000万円・6年契約2年目)、打者では大野奨太(中日=1億円・3年契約3年目)がいる。
スチュワートJr.はサファテ同様、2年連続で一軍での登板がない。ソフトバンクは金満チームとはいえ、一軍での働きだけで見れば、サファテ、内川、スチュワートJr.の3人で8億5800万円が無駄になったことになる。
プロ野球のデータに関する著書が多いジャーナリストの広尾晃氏に、年俸1億円以上の投手のコスパを算出(10月29日現在)してもらった。
「1軍で投げたといっても、年俸が1億円を超えるとコスパが悪くなる。広島の守護神だった中崎翔太は年俸が1億4500万円ながら、右膝や動脈瘤の手術の影響で6試合(5イニング)しか出場しておらず、1イニングあたり2900万円となっている」(広尾氏)