ネットニュース編集者ではあるものの、スマホは持たずガラケーユーザーである中川淳一郎氏。これまでは、スマホアプリのマッチングサービスを利用したこともなかった。しかし、11月から佐賀県唐津市へ移住するにあたり、大量の不要品を処分するため、初めてマッチングサービスを利用した。何かと人生を助けてくれるマッチングサービスについて、中川氏が引っ越し体験とともに考察する。
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ネットのマッチングサービスの有名どころといえば、フリマアプリのメルカリと外食宅配サービスのウーバーイーツが挙げられる。前者は「不用品を売りたい」人と「それを買いたい」人をマッチングさせ、後者は「食べたい」人と「売りたい」店と「働きたい」配達員をマッチングさせる。
私はいずれも使ったことはないのだが、今回東京から佐賀県唐津市に移住するにあたり、マッチングサービスを使ったらこれが実に快適だった。ネットを介せばかなりの部分の「困ったこと」を解決してくれる人が必ずどこかにいるのでは、と思わされた。
実家を出てからこれまでの21年で溜まった家具や調理器具や本に加え、家人(1人)の服を含めた大量の持ち物をいかに処分するかが課題となった。
とてもではないが、自治体による粗大ゴミ処理では追い付かない量だったのである。最初は事前に自治体に申請し、コンビニでシールを買い、10日後の回収日を待つ。10個のゴミ処理に6000円かかった。残った不用品は巨大な本棚・冷蔵庫・事務机に加え、洗濯機やコタツ、布団など200点ほどはあったことだろう。これらを引っ越しで運ぼうとしたら30万円は最低かかっていたはず。だが、こちらは人生をリセットさせ、95%以上を捨てることにしたため、引っ越し業者以外の存在が必要だった。
そこに現われたのが「2トン車1台分の不用品を3万3000円で引き取ります」というサービスだ。街中をゆっくりと走りながら「不用品、なんでも無料で引き取ります。壊れていても構いません♪」などと拡声器でアナウンスしながら走るトラックがいる。あれは時に「いやぁ~、これは5000円かかるな。無料の対象じゃないよ」と言われるなど、今回も3万3000円と謳っているにもかかわらず追加料金が次々とついて結果的に15万円になるのでは……ということも覚悟していた。