多くの歌手にとって、夢の舞台である『NHK紅白歌合戦』。近年、若いアーティストの出場が目立つようになった一方で、年末の大舞台から去るベテラン歌手もいる。しかも、今年は放送時間が15分短縮となり、キャスティングが大揺れしているという──。
年末の風物詩に大きなサプライズが待っているかもしれない。今年第71回を迎えるNHK紅白歌合戦は、コロナ禍で開催が不安視されていたが、史上初の無観客で開催することが発表された。観客がいないことで生まれたスペースを活用した演出など、例年とは違ったステージが期待されているが、出演歌手をめぐっても“例年とは違う”事態が起きているという。
「いつもなら11月上旬には“内定情報”が出てくるのに、今年はほとんど漏れてきません。それでもアニメ『鬼滅の刃』の主題歌を歌うLiSAさん(33才)は、ほぼ決まり。デビュー曲『香水』がロングヒット中のシンガーソングライターの瑛人さん(23才)と、日本と韓国で活動するアイドルグループ・NiziU、朝ドラ『エール』で甲子園の応援歌『栄光は君に輝く』を歌った山崎育三郎さん(34才)の出場も有力視されています。そんななか“目玉”として注目されているのが、上沼恵美子さん(65才)の初出場なんです」(音楽関係者)
司会者としてのイメージが強い上沼だが、実は歌手としての実績もある。1976年に海原千里・万里として発売した『大阪ラプソディー』は40万枚を超える大ヒット。昨年11月発売のシングル『時のしおり』はロングランヒットとなり、今年6月1日付のオリコン週間シングル演歌・歌謡ランキングで1位にランクインするという快挙を達成している。
「その上沼さんの初出場が、ほかの出演歌手に大きな影響を与えるとみられています。簡単に言うと、彼女が出ることでほかの誰かが外れる、“玉突きキャスティング”が起こる。しかも、その候補として、石川さゆりさん(62才)や天童よしみさん(66才)といった大物演歌歌手の名前も取り沙汰されているのです」(芸能関係者)
石川といえば、紅白に42回も出場する常連歌手。なぜ、彼女の名前が“落選候補”にあげられているのか。
NHKにクレームを付けた
そもそも紅白の出演歌手数はここ数年、減少傾向にある。2000~2015年までは、ほぼ毎回50組以上が出場していたが、近年になって朝ドラとのコラボ企画などが増え、出演歌手の歌唱時間が減少。2016年以降は50組を割り、2019年は42組にまで絞られた。
「今年は放送時間が15分短縮されるので、さらに出演歌手が減る可能性が出てきています。近年、NHKは若手アーティストや、紅白初出場の中堅アーティストを積極的に起用する一方で、演歌歌手はどんどん卒業を余儀なくされています。2013年に北島三郎さん(84才)が、2015年を最後に森進一さん(72才)、細川たかしさん(70才)が紅白の舞台から去りました」(前出・音楽関係者)