出場資格者は「女性芸人」だけ──そんな新しいお笑い賞レースが『THE W』(日本テレビ系)だ。ノンフィクションライターの中村計氏が、最新の第4回大会の現場からレポートする。(文中敬称略)
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10組しか残れないのか。なんと、もったいない。それが10月22、23日と2日間にわたって行われた『女芸人No.1決定戦THE W2000』準決勝を観た率直な感想である。
出場したのは38組。各組とも両日参加し、2本ネタを披露しなければならない。それだけ観れば、つまらないものもありそうだが、少なくとも「まったく笑えない」みたいなネタは1つとしてなかった。昨年から総合演出を手掛ける宮森宏樹は嘆息する。
「今年、参加していただいた女性芸人の方に聞いてみたいんですよね。コロナの影響で舞台数は減っているのに、どうやってネタを磨いていたんですか、と」
1年で急激に成長している芸人が多数いたそうだ。
「昨年優勝した3時のヒロインが、ほぼ無名の状態から一気に人気者になった。今年もまた新たなドラマが生まれる予感がしています」(宮森)
『THE W』が産声を上げたのは4年前だ。
「昔は容姿いじりが女性芸人の主流だった時代もあったと聞いています。でも今は友近さんなどに代表されるように、純粋にネタのおもしろさで勝負されている方がどんどん出てきた。女性ならではの毒の効いたネタ、シュールな世界観など、表現のバリエーションも増えてきた。渡辺直美さんはお笑いの世界を飛び出し、ファッション界でも活躍されています。そうした状況下で、新しいスターを発掘したいというテーマがあります。それと、女性芸人の方からも、女性同士の真剣勝負の場が欲しいという声があったそうです」(宮森)
そんな『THE W』が大改革に着手したのは第3回を迎えた昨年だった。背景にはファンや芸人の大会に対する「レベルが低い」等の厳しい声があった。