いよいよ大詰めに近づき、視聴率も好調なNHKの連続テレビ小説『エール』。このドラマで歌手・佐藤久志を熱演し、朝から視聴者のハートを鷲掴みにしているのが、山崎育三郎(34才)だ。
ミュージカルで培ったその歌声を存分に生かし、魅力たっぷりに久志を演じる山崎は、この役を通じて何を感じたのか──。
劇中では、窪田正孝演じる古山裕一、中村蒼演じる村野鉄男、山崎が演じる久志の3人は、“福島三羽ガラス”と呼ばれ、とても仲がいい。しかしその仲の良さは劇中だけでないという。山崎が明かす。
「窪田くんと蒼くんの実際の性格は、役柄とは正反対です。どちらかといえば、窪田くんが男っぽくて、蒼くんはおとなしい。ぼくもその点でいえば、久志と正反対(笑い)。
彼らは本番のギリギリまでそのままなのですが、本番の声がかかると、すっと裕一と鉄男になる。ぼくは、久志を演じると決めたときから、現場では常に久志でいるので、どんなことを投げかけられても久志としてこたえています」(山崎・以下同)
せりふなど、自らアイディアを出すこともある。
「基本は現場で生まれたものを大切にしています。動きながら生まれたアイディアをリハーサルで監督に見てもらって、修正していく感じです。
役者って、実は現場に入るまでにいろいろやることがあるんです。台本を覚えたり、歌の練習をしたり、寝るギリギリまで準備をして現場に向かいます。だけど、準備の段階で『こうしよう』と思っても、実際に相手がどう演技をするかわからないので、できるだけ自由な気持ちで撮影に臨むようにしています」
山崎のアイディアが採用されたシーンはいくつもあるが、その1つに、視聴者に彼の存在を印象付けた、久志の初登場シーンがある。