11月第2週、『女性自身』のウェブ版に掲載された「安倍前首相 辞任後も私邸に警察官…異例の2億円警備続くワケ」という記事が話題となった。同記事の主眼は、内閣総理大臣の職を辞任した安倍晋三氏の私邸近くになぜまだ多くの人が警備しているのか?について政治ジャーナリストの有馬晴海氏が解説したものだ。
ネット上では「税金の無駄」といった声が多数書き込まれたが、有馬氏によると、今後安倍氏が自民党総裁選再出馬の可能性がある、とのこと。つまり、重要人物であり続けるがために警備は解いていないという考えだ。
総理経験者や閣僚の自宅を警察官が警備するのは珍しいことではない。安倍氏の私邸から近い麻生太郎副総理の自宅にもポリスボックスがある。
記事中では、「安倍晋三前首相が辞任してからもうすぐ2カ月、渋谷区内にある自宅マンション前の道路は、今も警察官やバリケードによって封鎖されたままになっている」という記述がある。
また、近隣住民による「理由を言えば道を通してくれるのですが、やっぱり不便ですね」という声も紹介されていた。
この記事は税金の問題に加え、安倍氏の再出馬が取りざたされただけに多数の批判を浴びたが、「補足がある」と語るのはネットニュース編集者の中川淳一郎氏。同氏は安倍氏の私邸の裏に2013年5月から2020年10月まで事務所を構えていた。安倍氏の再出馬云々はさておき、警備状況については安倍氏の辞任後、若干の変化が見られたというのだ。
「記事を読むと、警備状況が変わっていないように思われるかもしれませんが、少なくとも1か所は警備が解かれました。原宿方面から代々木上原方面に至る井の頭通の途中、斜め左に上がる坂があるんですよ。その途中に安倍氏の私邸に至る狭い道があります。ここの道の警備は解かれました。
女性自身の記事には『理由を言えば通してくれるのですが』とありますが、理由を聞かれることって5回に1回ぐらいでしたよ。普通は警察官に『こんにちはー』とか『こんばんはー』『おはようございまーす』といえば大抵通してくれました。理由を聞かれた時も『今から渋谷の会社で打ち合わせです』程度ですぐに通してくれた」
まだ安倍氏の辞任からそれほど時間が経っていないわけだが、中川氏は警備が続くのにはもう一つの理由があるのでは、と述べる。それは右翼による街宣だ。