レギュラー放送スタートから1か月余り。『あざとくて何が悪いの?』(テレビ朝日系、毎週土曜夜)が日本を飛び出し、人気を集めている。各国からのオファーによって、現在アジア13か国で配信されており、例えば台湾の動画配信サービスKKTVや中国の同bilibiliなどでもユーザーから高い評価を受けている。
出演者のひとりであるお笑いコンビ・南海キャンディーズの山里亮太は、自身がパーソナリティを務めるラジオ番組にて、「この番組、アジアで売れてるのよ。ミャンマーとかベトナム、フィリピン、台湾、韓国もそうだし、すごいのよ」と『あざとくて何が悪いの?』の国外からの反響に驚きを示している。「『あざとい』って言葉は(海外には)ないけど、あの現象はあるし、それに対する田中みな実のコメントとかが海を越えて評価されているんだって」と語っていた。
もともと「あざとい」とは「抜け目ない」ことを意味する言葉だが、いつのまにか「計算された可愛さ」のような使い方がすっかり定着した。つまり決して誉め言葉ではないのだが、『あざとくて何が悪いの?』の面白いところは、「あざとさ」をポジティブに捉えている点だ。
同番組では、山里亮太、田中みな実、弘中綾香アナウンサーが“あざとい男女”の言動についてトークを繰り広げる。その語り口は批判的なものではなく、むしろ「そんなテクニックがあるのか!」という感心に近い。番組で紹介される“あざとい”言動のひとつひとつに出演者たちが「かわいい!」と言い合い、「今の言動はなぜかわいかったのか?」を分析して盛り上がる……。そこに、ぶりっこ叩きのようないやらしい空気は一切ない。
テレビウォッチャーでコラムニストの飲用てれび氏は、『あざとくて何が悪いの?』における「あざとさ」の捉え方に新鮮なものを感じているという。