芸能

土曜夜のフジを救う“松本プレミアム”、実験的な企画が続々

“松本プレミアム”とも言うべき状況に!?

 フジテレビを救うのは、お笑い界の大物・ダウンタウンの松本人志(57才)かもしれない。ここ最近、『土曜プレミアム』で松本による実験的なコンセプトの特番が“量産”されている。その背景とは? コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。

 * * *
 21日夜、フジテレビの特番枠『土曜プレミアム』で、『まつもtoなかい~マッチングな夜~』が放送されます。同特番は「松本人志と中居正広が会わせてみたい2人をマッチング」というコンセプトのトークバラエティ。甲本ヒロト×菅田将暉、ローラ×フワちゃんなどの新鮮かつ刺激的なマッチングで、「どんなトークになるのだろう……」と放送前から注目を集めています。

 同特番が放送される『土曜プレミアム』は、映画、スペシャルドラマ、ドキュメンタリー、バラエティなどの多彩なラインナップが売りのフジテレビ最大の特番枠。ただ、近年は日本テレビの『嵐にしやがれ』と『土曜ドラマ』、TBSの『世界ふしぎ発見!』と『新・情報7daysニュースキャスター』、テレビ朝日の『サタデーステーション』、テレビ東京の『出没!アド街ック天国』などに押されて、以前ほどの注目を集められずにいました。

 今年は明石家さんまさん、内村光良さん、有吉弘行さんらの冠特番など、今週末まえに23本のバラエティ特番をラインナップ。例年以上にバラエティの割合が高く、なかでも松本人志さん絡みの特番は23本中6本を占めています。

 言わば、「4回に1回以上、松本人志のプレミアムな特番が放送される」という『土曜プレミアム』ならぬ“松本プレミアム”の状態。なぜこれほど松本人志さんの特番が増え、土曜夜のフジテレビを救おうとしているのでしょうか。

「2020年だからこそ」の実験的な特番

 今年、『土曜プレミアム』で放送された松本さん絡みの特番は、1月11日の『人志松本のすべらない話』、5月30日の『人志松本のすべらない話ザ・ベスト』、6月13日の『IPPONグランプリ』、8月1日の『HEY!HEY!NEO! MUSIC CHAMP』、10月24日の『まっちゃんねる』、11月21日の『まつもtoなかい~マッチングな夜~』の6本。

『土曜プレミアム』定番の『人志松本のすべらない話』と『IPPONグランプリ』から、ゴールデン・プライム帯で初放送の『HEY!HEY!NEO! MUSIC CHAMP』、挑戦的なコンセプトの『まっちゃんねる』『まつもtoなかい~マッチングな夜~』まで番組内容の幅が広く、そこに松本さんの意欲が垣間見えます。

 特にこの1か月間で放送する『まっちゃんねる』『まつもtoなかい~マッチングな夜~』は、「どんな番組なのかわからない」「先の展開が想像できない」という実験的なコンセプトの特番。昨年までならありえなかった企画であり、松本さんが2020年だからこそ実験的なコンセプトの特番に挑んでいる様子が伝わってきます。

 では、なぜ松本さんは今年、実験的なコンセプトの特番に挑んでいるのか? その理由は主に下記の2つ。

 1つ目の理由は、今春以降、民放各局が10~40代の視聴者に向けた番組を重視するように戦略を変えたから。『土曜プレミアム』も例外に漏れず、中高年層が好む報道・情報番組やドキュメンタリー、若年層は動画配信で見がちな映画よりも、バラエティの制作に力を入れはじめました。その最前線にいるのが、フジテレビのバラエティと縁の深い松本さんなのです。

 2つ目の理由は、新型コロナウイルスの感染拡大によって、笑いのニーズが増しているから。緊急事態宣言の発令による外出自粛、絶え間なく流れるコロナ禍のニュースなどで重苦しいムードに包まれ、今春以降「何も考えずに笑いたい」というニーズが高まっていきました。実際、民放各局は8時間生放送に挑んだ『お笑いの日』(TBS系)を筆頭に、さまざまなお笑い特番を連発。松本さん自身もレギュラー番組に加えて多くの特番に関わるなど、「笑いの力で少しでも明るい気持ちになってほしい」というスタンスがうかがえます。

関連キーワード

関連記事

トピックス

紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
大村崑氏
九州場所を連日観戦の93歳・大村崑さん「溜席のSNS注目度」「女性客の多さ」に驚きを告白 盛り上がる館内の“若貴ブーム”の頃との違いを分析
NEWSポストセブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
佐々木朗希のメジャー挑戦を球界OBはどう見るか(時事通信フォト)
《これでいいのか?》佐々木朗希のメジャー挑戦「モヤモヤが残る」「いないほうがチームにプラス」「腰掛けの見本」…球界OBたちの手厳しい本音
週刊ポスト
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン