スポーツ

バド高橋 コロナに「どうしようもできない」と悔いなく引退

(写真/AFLO)

タカマツの躍進を支えたのは韓国の英雄と呼ばれるパク・ジュボン日本代表コーチ(左)と中国出身の中島慶コーチ(右)(写真/AFLO)

 2016年リオデジャネイロ五輪(以下・リオ五輪)で、日本バドミントン界に初の金メダルをもたらした女子ダブルスの高橋礼華 (30才)。この8月に引退を発表し、第二の人生を歩み始めた彼女がいま語る「近道のない道」とは──。

 6才からバドミントンを始め、小学4年生で全国優勝を果たした高橋。中高一貫のバドミントンの強豪校・聖ウルスラ学院英智中学校に進学した。

 大きな転機は2007年。高校2年生のときに訪れる。1学年後輩の松友選手とダブルスを組むことになったのだ。

「松友とペアを組ませたのは、バドミントン部の田所光男監督です。その理由は、部内全体の組み替えで、最後に余っていたのが私と松友だったからだと、監督から後で聞きました。

 最初に聞いたときは『ダブルス……マジか……』と、正直戸惑いました。というのも、2人ともシングルスしかやってこなかったのと、先輩として松友を引っ張っていかなければというプレッシャーがあったからです。でも、いざ練習を始めたら相性がよかった。考え方も似ていて……。

 いちばんの共通項は、練習で絶対に手を抜かないことだった。これはアスリートにとって当たり前のことですが、意外とできる人って少ないんですよね。練習を全力でやっていないと、肝心の試合で、疲れてくると動けなくなる。私たちは相手が疲れてきても全力で動くことができ、攻め続けることができたから、それが強みとなって勝つことができたんです」(高橋・以下同)

 プライベートでも常にバドミントンを意識した行動を心がけていた。

「オフの日でも気は抜きませんでした。友達との食事会があっても次の日に練習があると思うと、『休日だから時間を忘れて遊んじゃえ!』となるのをグッとこらえて夜11時までには家に帰り、体を休めるために7時間の睡眠をとる。たまにネイルをしに行ったりもしましたが、それは、あくまでリフレッシュして練習に臨むためでした。なぜそこまでしたかというと、“金メダルを取るような選手は、それにふさわしい生活をしている”と思ったからです。

 レスリングの伊調馨さん(36才)や体操の内村航平さん(31才)、フィギュアスケートの羽生結弦くん(25才)など、特に五輪を連覇しているような人は、ふだんも家と練習場の往復くらいで、ストイックに練習に打ち込んでいて、羽目を外して遊んでいるなんて聞いたことがありません。

 もちろん、お酒を飲むことが悪いとは言いません。でも、私たちは規則正しい生活を心がけ、やるべきことをただただ愚直に行い、全力で練習や試合に臨んできました。それがあってようやく金メダルに辿り着けたのだと思います」

 しっかりと目標を見据えて、ブレずにやり通す。そんな強さが夢を近づけたのだ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

同僚に薬物を持ったとして元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告が逮捕された(時事通信フォト/HPより(現在は削除済み)
同僚アナに薬を盛った沖縄の大坪彩織元アナ(24)の“執念深い犯行” 地元メディア関係者が「“ちむひじるぅ(冷たい)”なん じゃないか」と呟いたワケ《傷害罪で起訴》
NEWSポストセブン
電動キックボードの違反を取り締まる警察官(時事通信フォト)
《電動キックボード普及でルール違反が横行》都内の路線バス運転手が”加害者となる恐怖”を告白「渋滞をすり抜け、”バスに当て逃げ”なんて日常的に起きている」
NEWSポストセブン
入場するとすぐに大屋根リングが(時事通信フォト)
興味がない自分が「万博に行ってきた!」という話にどう反応するか
NEWSポストセブン
過去の大谷翔平のバッティングデータを分析(時事通信フォト)
《ホームランは出ているけど…》大谷翔平のバッティングデータから浮かび上がる不安要素 「打球速度の減速」は“長尺バット”の影響か
週刊ポスト
16日の早朝に処分保留で釈放された広末涼子
《逮捕に感謝の声も出る》広末涼子は看護師に“蹴り”などの暴力 いま医療現場で増えている「ペイハラ」の深刻実態「酒飲んで大暴れ」「治療費踏み倒し」も
NEWSポストセブン
初めて沖縄を訪問される愛子さま(2025年3月、神奈川・横浜市。撮影/JMPA)
【愛子さま、6月に初めての沖縄訪問】両陛下と宿泊を伴う公務での地方訪問は初 上皇ご夫妻が大事にされた“沖縄へ寄り添う姿勢”を令和に継承 
女性セブン
中村七之助の熱愛が発覚
《結婚願望ナシの中村七之助がゴールイン》ナンバーワン元芸妓との入籍を決断した背景に“実母の終活”
NEWSポストセブン
松永拓也さん、真菜さん、莉子ちゃん。家族3人が笑顔で過ごしていた日々は戻らない。
【七回忌インタビュー】池袋暴走事故遺族・松永拓也さん。「3人で住んでいた部屋を改装し一歩ずつ」事故から6年経った現在地
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で天皇皇后両陛下を出迎えた女優の藤原紀香(2025年4月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA)
《天皇皇后両陛下を出迎え》藤原紀香、万博での白ワイドパンツ&着物スタイルで見せた「梨園の妻」としての凜とした姿 
NEWSポストセブン
“極度の肥満”であるマイケル・タンジ死刑囚のが執行された(米フロリダ州矯正局HPより)
《肥満を理由に死刑執行停止を要求》「骨付き豚肉、ベーコン、アイス…」ついに執行されたマイケル・タンジ死刑囚の“最期の晩餐”と“今際のことば”【米国で進む執行】
NEWSポストセブン
何が彼女を変えてしまったのか(Getty Images)
【広末涼子の歯車を狂わせた“芸能界の欲”】心身ともに疲弊した早大進学騒動、本来の自分ではなかった優等生イメージ、26年連れ添った事務所との別れ…広末ひとりの問題だったのか
週刊ポスト
2023年1月に放送スタートした「ぽかぽか」(オフィシャルサイトより)
フジテレビ『ぽかぽか』人気アイドルの大阪万博ライブが「開催中止」 番組で毎日特集していたのに…“まさか”の事態に現場はショック
NEWSポストセブン