今年でデビュー45周年となる岩崎宏美と、デビュー40周年となる岩崎良美。日本が誇る歌姫姉妹が、節目を記念して特別対談を行った。デビュー当時の初々しい写真を見た2人は、思い出話に華を咲かせる──。
宏美:懐かしい写真ばかり。いずれもデビュー当時のものですね。妹はドラマ出演が先でしたが、2人とも16歳で芸能界に入って。
良美:私たちにはもう1人、姉がいて、小さい頃から3人一緒にスリー・ディグリーズの歌などを歌っていたので、デビューしたヒロリン(宏美)を見て、私も歌手になりたいと思うようになったんです。
宏美:でも最初は周囲の方たちから「歌い方が似てしまうから、お姉さんの曲は聴かないように」って言われていたんでしょう?
良美:そう、確かに声は似ているからね。最近は顔も似てきたけど(笑い)。
宏美:2人とも実家にいた頃、妹がドラマで共演した方からの電話を私がとったんです。先方が「あっ、良美ちゃん?」って話し出したから、「宏美ちゃ~ん」って答えたらビックリされたことがありました(笑い)。
良美:母さえ声の区別がつかなかったものね。でも性格は全く違って、ヒロリンは誰とでもすぐに仲良くなれるけれど、私は人見知りが激しくて。
宏美:私はとにかくお転婆で。子供の頃は「ブランコを替わってもらえない」と泣いて帰ってきた妹と一緒に公園まで行って、意地悪している男の子から取り返したこともありました。
良美:そんなヒロリンが歌手になったら、次々と女の子らしい歌を歌うようになって。私は特に『ドリーム』(1976年)がお気に入りで、当時は何かいいことがあるたびに〈あ~夢かしら~〉のフレーズを口ずさんでいたんです。
宏美:そうだったの!?(笑い)。私はヨシリン(良美)の歌ではデビュー曲の『赤と黒』(1980年)が特に好き。レコーディングにも立ち会って、とてもムードのある素敵な曲だと思いましたから。でも彼女がデビューしてからは共演する機会はそれほど多くなくて。
良美:いつだったか『ヤンヤン歌うスタジオ』で私が人力車の車夫に扮して、お客さん役のヒロリンを乗せるコントがあったんです。でもいざ走ろうとしたら人力車があまりにも重くて、一瞬手を離したら……。
宏美:私を乗せたまま車がドーンと後ろに倒れて。幸い怪我はしませんでしたが、あの時は怖かった!