東京地検特捜部が安倍晋三・前首相の「桜を見る会前夜祭パーティー」の捜査に乗り出した。安倍後援会が毎年、桜を見る会に参加する地元支援者を集めて高級ホテルで開催していた宴会だが、政治資金収支報告書に収支が一切記載されていなかったことから、国会で追及を受けた。
安倍氏と同様に、菅義偉・首相にも政治資金収支報告書に収支が記載されていないパーティーやイベントがあることがわかった。
菅氏が官房長官に就任して2年目の2014年4月19日午後、横浜ロイヤルパークホテルの大宴会場「鳳翔」で〈内閣官房長官 すが義偉 春の集い〉が開催された。パーティーは地元の情報誌「タウンニュース」(2014年4月24日号)で、〈菅官房長官 経済政策に自信示す 地元集会に2500人〉と紹介された。
菅氏の秘書出身の横浜市議・遊佐大輔氏がブログ(同年3月1日付)によれば会費は1500円だった。1500円で2500人が参加すれば収入は375万円になる。
しかし、菅氏の資金管理団体「横浜政経懇話会」や政党支部(自民党神奈川第2選挙区支部)の政治資金収支報告書には、このパーティーの収入も費用も一切記載がないのだ。
菅氏の「不記載イベント」はまだある。遊佐氏のブログには、2012年から現在までに、「成田山初詣バスツアー」「すが後援会ディナークルーズ」「すが義偉・なかよしゴルフコンペ」などの菅氏の後援会行事に参加したことが報告されているが、政治資金収支報告書を2012年までさかのぼっても(7年分)記載はない。
とくに成田山バスツアーは毎年バス25台、約1000人が参加する菅後援会恒例の大イベントで、今年は1月26日に開催された。毎年参加している支持者が語る。
「集合時間は朝7時20分、同じ町内の参加者とバスに乗り込む。成田山の駐車場につくと選挙区内の各町内から出発したバスが次々に集まってきます。参拝が終わると幕張のアパホテルの大宴会場で昼食の幕の内弁当を食べた。そこに菅さんが登場して盛り上がるわけです。帰りは房総をちょっと観光して横浜に戻る。会費の8000円は菅事務所に申し込み書を持っていって現金で払いました」