今年もお笑い界の冬の一大イベントが近づいてきた。12月20日に『M-1グランプリ2020』(テレビ朝日系)の決勝戦が開催される。例年、M-1を機にブレイクする芸人は数多く、ここ数年でも霜降り明星やミルクボーイらが、一気にスターダムの座に躍り出た。
そして、目前に迫るのが12月2日に開催される準決勝だ。エントリー総数5081組から、2回戦では593組、準々決勝では115組に絞られ、準決勝に勝ち進んだのはわずか25組。ここに“GYAO! ワイルドカード枠”として、動画サイト「GYAO!」での視聴数1位を記録したラランドを加えた計26組が準決勝を争い、決勝戦への切符を手にする9組が発表される。
今年もダークホースとなるコンビが出現するのか? 毎年、M-1が近づくにつれ、大会に向けてネタが「仕上がっている」と噂されるコンビが出てくる。コロナ禍による劇場休業期間もあったため、優勝候補のコンビも予測できない状況が続いていたが、関西の劇場界隈では徐々に「仕上がりコンビ」についての話題が聞こえてくるようになった。
劇場再開後、毎週大阪の劇場に足を運んできた在阪記者は、次のように話す。
「今年の大会は、よしもと漫才劇場(通称マンゲキ)所属芸人から、カベポスター、タイムキーパー、ニッポンの社長、見取り図、祇園、コウテイ、からし蓮根、滝音、ロングコートダディの9組が準決勝に進出しています。劇場での公演数が多いマンゲキ所属芸人たちは、ライバル関係であるのはもちろん、平日の夜にはユニットコントといって、複数のコンビが共同でライブを開催するなどして芸の幅を広げています。
なかでも今年、客席でひときわ大きな笑いが起きているのが『コウテイ』です。アヴァンギャルドなネタと爆発力だけでなく、秋頃からは特にギラギラした野心的した眼差しが印象的です。舞台に登場した瞬間から、良い意味で威圧感があり、本気でM-1を狙っているのが伝わってきます。昨年までとネタの構成も変えて、シュールなのに多くの人が笑えるようなネタに仕上げてきています」