芸能

一発屋で終わらないミルクボーイ 背景に堅実な漫才の「型」

(時事通信フォト)

大学時代から漫才の腕を磨き続けた(時事通信フォト)

 お笑い芸人の登竜門として知られるM-1グランプリ。今年は過去最多となる5081組がエントリーし、12月20日には決勝戦が開催される。そんなお笑い戦国時代の昨今、フレッシュな感性で注目を集める“第七世代”に対して、“漫才の実力”で勝負してきたのが前回(2019年)M-1グランプリを制したお笑いコンビ・ミルクボーイだ。

 ボケ担当の駒場孝とツッコミ担当の内海崇によって2007年に結成されたミルクボーイ。もともと大阪芸術大学の落語研究会に所属していた二人は、同年に劇場baseよしもとのオーディションに合格する以前、大学在学中の2004年よりすでに学内の漫才大会で活躍。2006年にはM-1グランプリに出場し、2回戦へと進出している。

 大学卒業後に本格的に活動をスタートさせると、各種お笑い賞レースに挑戦。中でもM-1グランプリでの優勝は大きな目標となったようで、大会が休止していた2011〜2014年を除いて毎年エントリーし、何度も準々決勝進出を果たしながら惜しくも決勝進出を逃す結果が続いていた。

 初出場から13年、2019年に挑戦したM-1グランプリでは悲願の優勝を手中に収めることになる。このとき第2位となったのがかまいたち、第3位がぺこぱで、上位3組とも2000年代から活動を始めたそれなりのキャリアを持つお笑いコンビだった。これを受けて前年 覇者で“第七世代”の若手コンビ・霜降り明星のせいやは自身の冠ラジオ番組で「第七世代は終わりました」と語った。

 新しい笑いを届けるのは、必ずしも年齢が若い人物とは限らないのである。2019年12月に開催されたM-1グランプリを評して、お笑い評論家のラリー遠田氏は当時、「『面白さ』を前提に『新しさ』も評価の対象となる」「ボケに対して物わかりが良すぎるツッコミが新しい」と絶賛した。

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