来年の成人式は2021年1月11日。例年通りなら、120万人近くにのぼる新成人を祝い、華やかな式典が催される日だ。しかし来年の成人式は、長引くコロナ禍で開催すらされないところもあるという。来春成人する娘を持つ作家・内藤みか氏がレポートする。
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成人式は振袖姿で街を歩くことができる、女性たちにとって一生の思い出となる日です。そしてその日を来年迎えようとしている娘が我が家にもいます。朝早くに着物を着付けていただくのですが、家を出る時に着ていた洋服一式は、付き添いの人間(大抵は母親)が持ち帰ることが多く、当日は私も付き添う予定でした。
例年、着付け会場はそんな母娘で大にぎわいです。さらに式典会場も、近隣の若者たちが一斉に集結するのだから大混雑。懐かしい顔を見かけては声をかけ、一緒に写真を撮って盛り上がります。同窓会にも似た、成人したお互いの姿を見せ合う貴重な交流の時間なのです。そして気の合う仲間たちとの宴で、深夜まで盛り上がるのも毎年のこと。
コロナ禍で中止や延期も
しかし今年は、新型コロナウイルスが収束していない中での開催となりそうで、気を揉んでいる人も少なくありません。地方では県外在住者も集まりやすいよう春や夏に成人式を行うところもありますが、すでに延期が相次いでいます。
新潟県長岡市は成人式を翌年に延期しました。山形県米沢市では5月を9月に、9月をさらに11月にと2度も延期した末にようやく開催するなど、ウイルス対応のための変更を余儀なくされています。そしてやっと開催しても参加者は例年より半数以下という状態のようです。これは都会から地方に帰省しづらい状況があるからかもしれません。
開催の予定ではあるけれど……
感染拡大する北海道では北斗市や函館市が式を中止にしました。関東では神奈川県横浜市が成人式を中止し、オンラインで開催すると発表しましたが、反対の声が多かったため、後にリアル会場での式典を行うと変更しています。
東京都の多くの自治体は中止の発表は今のところなく、式典を何回かに分けて行うことで密を避ける対応をしているように見えます。千葉県浦安市は恒例のディズニーでの成人式を今年も行う予定です。しかし感染の状況次第では変更もありうる、100パーセント確実に行われるかは誰にもわからない不安定な状況といえるでしょう。