1950年代から開催されてきたと言われるミスキャンパスコンテスト、つまり大学のミスコンは、今や全国各地の大学で開催されている。古くはミス立教だった女優の野際陽子さん、最近ではテレビ局の女子アナは軒並みミス経験者で、タレントにも多い。遅れて開催されるようになった男性が対象のミスターコンテストとあわせ、大学生活を華やかに彩るものとして大学生たちも楽しんでいたイベントだったはずだが、最近は肝心の大学生たちのミスコン離れが目立ってきている。ライターの森鷹久氏が、大学ミスコンやミスターコンテストに強まるネガティブなイメージについてレポートする。
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新型コロナウイルスの影響により、大学の学園祭も相次いで中止になったり縮小開催となった。目玉イベントであった「ミス・ミスターコンテスト」も、ステージアピールではなく、ネットやSNSを中心に行われている。秋といえば学園祭、そして学園祭といえば「ミスコン」である……と思う30代後半の筆者としては、一抹の物寂しさを感じつつも、オンラインが中心となってもミスコンは盛りあがっているのだろうと思っていた。だが現役学生から聞こえるのは、ミスコンに対する冷ややかな声。大学生のミスコン離れとも受け取れる今の様子は、一体何が起きているのか。
「ミスコンに出る、というだけで今は少し恥ずかしい感じ。自意識が強すぎる、そんなに目立ちたいの? ってなるし、ブラックなイメージが消えない」
こう話すヒスイさん(21才)は、K大学の4年生。数年前にミスコン主催者が連日マスコミに取り上げられるほどの大事件を起こし、主催団体は解散、大学公認のミスコンは全て中止に追い込まれた。その後も、非公認のミスコン主催団体が林立しトラブルになるなどしたことから、今や在籍する学生のほとんどが「ミスコン」と聞くと苦々しい顔をするという。
「K大のミスコンに関わっていた、というだけで就職が厳しくなるとか、白い目で見られるとか、今も言われていますよ。ミスコンそのものが怪しく、いかがわしいものだって雰囲気」(ヒスイさん)
K大のような全国ニュースになるほどの大事件という理由がなくとも、すでに「ミスコンは古い」と断言するのは、A大学3年の未来さん(21歳)。
「昔は雑誌の読者モデルになって、ミス○○大に選ばれて、アナウンススクールに通ってテレビ局にエントリーみたいなのが、レベルの高い女子大生って言われてたんですよね(笑)。アナウンサー就職がゴール、っていう昔の人の考え方って感じです」(未来さん)