放送作家、タレント、演芸評論家で立川流の「立川藤志楼」として高座にもあがる高田文夫氏が『週刊ポスト』で連載するエッセイ「笑刊ポスト」。今回は、アイドル黄金時代にデビューした大スターたちの明暗についてお届けする。
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“ドルチェ&ガッバーナ”の歌詞が果してNHKの紅白歌合戦で歌えるのか、歌えないのか。瑛人は香水をつけて出るのか、出ないのか。歌業界がここへ来て何かとかまびすしい(「やかましい」の意。ただこの「かまびすしい」という言いまわしを一度使ってみたかっただけ)。
17日のスポーツ紙一面にはドーンと「近藤真彦 活動自粛」が躍る。本屋をのぞいたらこの日発売の週刊誌がズラリとみんな表紙がマッチ、マッチ。『週刊朝日』に『サンデー毎日』おまけに『アエラ』までがマッチ。“マッチ一本火事の元、火遊び注意”である。ちょうどデビュー40周年ツアーなどで大キャンペーンの時期だったのだろう。全誌マヌケな作りとなってしまった。逆に言えばそのタイミングを文春はねらったのかもしれない。「ギンギラギン」ではあったが「さりげなく」とはいかない近藤、テレビ、ラジオで流されるのは『愚か者』ばかり。
同じデビュー40周年の松田聖子が、記念アルバム『SEIKO MATSUDA2020』を出したので聞いている。『赤いスイートピー イングリッシュバージョン』にご機嫌。それにあの大瀧詠一との幻のデュエット『いちご畑でFUN×4』。40年間ずっとトップを走り続けた人の凄みを感じる。
40年前といえば“漫才ブーム”が起きてビートたけしが世に出て、私も少し仕事が忙しくなった頃である。そんな頃から活躍していた桑田佳祐がこの度とんでもない楽曲を坂本冬美に提供。
“歌謡サスペンス”と呼ぶらしい『ブッダのように私は死んだ』。ドロドロとした怨念と“みたらし団子”のトロ味。怨念抱いた女がそこにオンネン(上方の噺家か!?)。これも紅白で身悶えて歌って欲しいな。あぁ紅白の構成の仕事来ねぇかな(私は若い頃3年ほど台本を書いた事がある)。