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「手根管症候群」の神経再生を促す薬剤シートの治験が開始

手の痺れや痛みが起こる「手根管症候群」に新たな治療法(イラスト/いかわ やすとし)

手の痺れや痛みが起こる「手根管症候群」に新たな治療法(イラスト/いかわ やすとし)

「手根管症候群」は更年期以降の女性、手首を使いすぎている人、手首骨折の経験者、人工透析患者らに発症しやすい。何らかの原因で、手首の正中神経が圧迫され、神経線維を覆う髄鞘に障害が生じ、手の痺れや痛みが起こる。

 この症候群は国内で年間約数十万人が発症すると推計され、治療は軽症の場合、手首を固定して様子をみるが、症状が進むと手根管の中にステロイドの注射を行なうことも。それでも症状が軽減せず、残存した場合は内視鏡下で小さく切開し、神経の圧迫を解除する手術を行なう。手術は年間約3万件実施されている。

 大阪大学運動器スポーツ医科学共同研究講座の田中啓之特任教授に話を聞いた。

「私は整形外科医として手根管症候群の手術などを行ないながら、神経再生に関する基礎研究にも取り組んできました。末梢神経は基本的に再生するのですが、人によって再生のスピードや再生能力に違いがあります。中には再生しにくい患者もいて早く神経再生ができないかと思っていました。そこで神経を再生させる薬剤を患部に長く滞留させることにより、早い再生が可能になるのでは──と薬剤含有シートを神経の周囲に巻き付けることを考えたのです」

 ナノファイバーシートの開発は国立研究開発法人物質・材料研究機構機能性材料研究拠点グループの協力を得て実施。太さ数100ナノメートルのポリカプロラクトン繊維に神経再生作用のある薬剤を含有(練り込むイメージ)させ、幾層にも重ねて不織布のシート状にする。シートの厚さは50マイクロメートルと薄いだけでなく柔らかい。シートの色はピンク。またポリカプロラクトンは生体なので、約1年かけてゆっくりと分解される。さらに繊維1本1本に薬剤が含有しているため、薬剤もゆっくり徐放されるという特性がある。

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