中島みゆき(68才)と松任谷由実(66才)──同時代を生きた2人の女王は常に比べられる運命にあった。2人が互いを語ることはほとんどない。が、突然ユーミンが口を開いたのだ。11月27日放送の『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』(TBS系)に、ユーミンこと松任谷由実(66才)が出演した。この大物ゲストに中居がぶつけた質問は《中島みゆき(68才)をどう思っている?》というもの。
するとユーミンは、同時代を生き、“ニューミュージックの女王”の名を分け合う中島について、《すごいと思いますよ。すごい楽曲を生み出してるなっていう。世界観がすごいなと思いますね》と称賛。会うことはないかと聞かれると、10年ほど前にすれ違い、20年ほど前に中島のライブの後に一緒に食事をしたくらいだと明かす。そして、中居が“歩み寄る”という言葉を使うと、それをさえぎって続けた。
《たぶん仲が悪い方が人は面白いかもしれないけれど、すごい好きですよ、彼女のことを》と淡々と語り、《彼女も私のことを好きだと思いますよ》と結論づけた。その様子を見ていた音楽ファンは興奮を隠さない。
「テレビでユーミンが中島さんについてあんなに語るなんて、本当に珍しいことで驚きました。2人は常に比べられてきた存在。ファン同士が対立したり、周囲も随分と比較して取り上げていたものです」
確かに、2人の違いは比べがいがある。キラキラと軽快な恋愛を歌うユーミンと、じっとり重い失恋を歌う中島の作り出す世界はまさに陽と陰で、あまりに対照的だからだ。その2人が最後に言葉を交わしたのが約20年前。それなのに、相手も自分を好きに違いないと信じ切ることができる不思議な関係。そこには、女王同士にしかわからない複雑な感情があるのだろうか。
才能に嫉妬しながら近づこうとした
1994年10月18日、東京・半蔵門にあるTOKYO FMのスタジオには、いつもと違う緊張感が漂っていた。ユーミンの番組に、中島がゲストで呼ばれていたのだ。そのとき、2人の共演は約10年ぶり。年齢は中島が2つ上だが、デビューはユーミンが3年早い。
同世代といえる2人は互いに“タメ口”で「久しぶりね」と言いながら、テンポよく息の合った会話を繰り広げる。その様子を見て胸をなで下ろすスタッフ。しかし、リスナーからの恋愛相談に答える場面では、言葉の端々にユーミンが中島を強く意識してきたことが感じられる場面もあった。
《私が十何年前にみゆきさんと会ってるときには、正直言って結婚してることの優越感というのがあったわけ。正直に言うと》と胸の内を明かしたのだ。ユーミンが語った十何年前、中島のラジオにゲスト出演した際にも、同じように漫才コンビのようなトークを繰り広げ、そして中島を強烈に意識した発言をしていた。
《いやーもう私はね、中島みゆきさんは最高のライバルですからね。ぜっっったいにね、負けたくないけどね、しわの数は負けたい》
ユーミンが軽妙に語れば語るほど、中島に対する対抗心や嫉妬心が浮きぼりになっていった。