秋・冬の“2クール通し”で放送されている『監察医 朝顔』(フジテレビ系、月曜21時)。主演の上野樹里、脇を固める時任三郎や山口智子、風間俊介の好演が光るが、ドラマオタクのエッセイスト・小林久乃氏が注目するのは子役の加藤柚凪(かとう・ゆずな)だという。どんな魅力があるのか。
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毎週放送が楽しみなドラマの一作品に『監察医 朝顔(以下、朝顔)』がある。こちらも現在放送中の『ルパンの娘』(フジテレビ系)と同じく、昨年の放送から引き続く第2シーズンだ。
「第1シーズン放送からのスパンがなぜ短い?」と、その理由が騒がれているが、個人的には第1、第2と長いスパンで放送されるパターンが好きだ。1クールでまとまり切らなかった、俳優陣のフォーメーションが明確になっているので、作品として見やすい。NHKの朝ドラも後半に連れて、物語が初回よりも面白く伝わってくる現象と同じ雰囲気がする。長く演じることで出演者たちが役に馴染んでくるのだ。
『朝顔』では、上記の長く演じることで生まれる面白みに、一役買っている人物がいる。それは主人公・万木朝顔(上野樹里)の娘・桑原つぐみを演じている、加藤柚凪ちゃんだ。
つぐみ登場でドラマの空気が一気に明るく
『朝顔』はさまざまな“死”をめぐる物語である。朝顔は法医学者として、事件に関わる遺体を日々解剖して、死亡原因の真相を追究することが仕事だ。そして自身も、東日本大震災で行方不明となってしまった母親の存在を探している。10年近く経過しようとも、肉親の壮絶な別離を受け止めきれずにいるのだ。この想いは父親でベテラン刑事の平(時任三郎)も同じく。
この重たいテーマを緩和してくれたのが、第1シーズンの第2話で朝顔に泣きながらプロポーズを果たした桑原真也(風間俊介)の存在。そして2人の結婚後も家族全員が同居する万木家にさらなる明るさをもたらしてくれたのは、朝顔の娘・つぐみである。