バラエティを席巻する「お笑い第7世代」の芸人をはじめ、テレビで活躍する芸人たちの多くが、日々、全国の劇場やライブハウスで開催されるお笑いライブに出演している。昨今、映画館での鑑賞マナーにかんする啓発は進んでいるが、お笑い鑑賞マナーについては、なかなか議題の俎上に上ることがない。
しかし、劇場に足を運んでいる客の中からは、一部のファンのマナーに対して苦言を呈する声も聞こえてくる。どのような行為が、お笑い鑑賞の妨げになっているのだろうか。劇場に通うお笑いファンに話を聞いた。
漫才のネタ中に会話をするファン
「普段、趣味で漫才劇場やNGK(なんばグランド花月)での公演に足を運んでいます。私は仕事終わりに一人で鑑賞しに行くのですが、複数人で来ている女性ファンのなかには、ネタ中に会話している人も少なくない。
たとえば、芸人さんが出てくると、『やばい、めっちゃかわいい!』と叫んだり、『このネタ、先週の単独のヤツやんな?』『○○さんが笑ったの、今絶対アドリブやん(笑)』、などと、結構なボリュームで喋る人もいる。そういう人の隣席になったときは絶望的な気持ちになる。笑いに来たのに、一気に嫌な気分になります」(30代・女性)
ネタの内容やツッコミワードを先に言うファン
「芸人が舞台に登場してマイクの前でひとこと発した瞬間や、舞台が明るくなってコントの大道具が見えた瞬間に、『あー、また“ラーメン屋”やな(笑)』『“なんも思わん”キター!』などと、さも『私はいつも劇場に来ているファンなので、このネタ知っています』と言わんばかりに、ネタバレするファン。正直、かなり不快です。
なかには、漫才のネタ中に芸人のキラーワードやツッコミのワードを芸人より先に発して、自己満足に浸る客もいる。嘘だと思うかもしれませんが、本当によくいます。先日、マンゲキ(よしもと漫才劇場)でライブを見に行ったら、『滝音』というコンビのネタ中に芸人より先に『ベイビーワード! ほら言った(笑)』などと騒いでいる客がいた。以前はラニーノーズの歌ネタを一緒に口ずさんで歌うファンもいました。
そもそも、今の時期は劇場からも『飛沫が飛ぶため、声を出しての声援は控えてください』とアナウンスされているんです。笑い声以外は黙っていてほしい」(20代・女性)