東京・立川拘置所の「9番面会室」。新型コロナ対策なのか、さらに補強された分厚いアクリル板を挟み、「座間9人殺害事件」の被告・白石隆浩(30才)が満面の笑みで座っていた。
「おしゃれですね、立って全身を見せてください」
「しばらく会ってませんでしたね。お元気でしたか」
公判が11月26日に結審。検察は「万死に値する」という厳しい表現で「死刑」を求刑した。その6日後、本誌女性記者が白石被告に面会した。2017年秋、神奈川県座間市にある白石被告のアパートで、男女9人の切断遺体が見つかった。希死念慮があった被害者を言葉巧みに自宅へ誘い込んで殺害。被害者の女性8人は失神後に強姦されていた。裁判は多方面に配慮がなされ開廷された。
「被害者9人は、A~Iと匿名で呼ばれました。また、証拠の遺体写真はあまりに凄惨なため、ショックを与えないようイラストに差し替えられた」(全国紙社会部記者)
争点は「被害者に殺害の承諾はあったかどうか」。「承諾があった」という弁護側に対し、検察側のみならず当の白石被告さえも「承諾はなかった」と主張した。
「遺体解体の具体的な手順や、遺体の一部を鍋で煮ていたことなど、裁判での発言はおぞましいものでした。白石は当時を振り返り“自分の快楽を追い求めたような生活だった”と話した。ほかにも“金にならなければレイプする。証拠隠滅のため、レイプしたら生きて帰さないと決めていた” “失神した女性をレイプすることに興奮した”などの発言で、裁判員の心証はかなり悪い」(前出・全国紙社会部記者)
本誌・女性セブンは事件後、拘置所で十数回、白石被告に面会。その言葉は「事件への反省や被害者への謝罪の気持ちが一切ない」ということ以前に、場当たり的で、とことん軽薄なものだった。
「女性の記者のかたと話すといいですね。胸や脚を見ると元気になります」
「もらった手紙、すごくいいにおいがしました。手首のにおいかと思った。袋に包んで保存して、落ち込んだときにかいでます。もう、そのにおいをかぐことだけがいまの楽しみです。こんなこと言って、変態ですね(笑い)」(白石被告・以下同)
何度かの面会を経ると、そのような発言が増え、ハイテンションにしゃべり続けることが多くなった。
初公判は2020年9月30日。直前の面会では、どこか投げやりな様子で「獄中結婚をしようとしていた子も、(自分の)誕生日にケーキを差し入れようとしていた子も、一般の女性も、もう誰も来なくなりました。性犯罪者だからモテないんですよ」と話した。
12月2日、死刑求刑直後の面会。
──裁判は結審した。
「法廷の椅子は硬かったので、ずっと同じ姿勢をしていたのがつらかったです」
──求刑をどう受け止めたか。
「前々から、警察からも、検察からも、求刑はそう(死刑)なるだろうとは、示唆されていましたから」