DeNAからFA宣言をした梶谷隆幸の巨人入りが決定的になった。年俸は4年総額8億円規模、背番号は13を用意と報じられているが、今年リーグ2位の打率3割2分3厘を残したバットマンの加入は、セ・リーグ3連覇を目指す巨人にとって大きな補強となるのは間違いない。移籍が実現すれば、今度は人的補償に話題が移る。梶谷の年俸水準は「Bランク」と見られているため、DeNAは年俸の6割の金銭補償、もしくは人的補償プラス年俸の4割の金銭補償を要求できる。
2018年オフ、巨人は人的補償で生え抜きのベテラン2人をプロテクトしなかった過去がある。丸佳浩の代わりに長野久義が広島へ、炭谷銀仁朗の代わりに内海哲也が西武へと移籍し、ファンからも批判を浴びた。結果的に、2人は移籍先でかつてのような活躍はできておらず、2年前の原辰徳監督の決断は間違っていなかったのかもしれないが、それでも生え抜きのリスト漏れが衝撃を与えたのは事実だ。今年はどの選手が人的補償の対象になりそうか。野球担当記者が話す。
「FAで巨人にやってきたものの、活躍できていない野上亮磨や陽岱鋼は厳しい立場でしょう。また、移籍組の石川慎吾や立岡宗一郎も、梶谷の加入を考えれば、外れる可能性がある。今年復活した中島宏之をどうするか微妙ですが、敢えて28名のプロテクトに入れないのではないか。DeNAには一塁にソトがいますし、長野や内海が期待された働きを見せていないことを考えれば、触手を伸ばさないでしょう」(以下同)
梶谷が抜ける来季のDeNAの外野陣に目を移すと、今年首位打者を獲得した佐野恵太のレフト、65試合出場で20本塁打を放ったオースティンのライトは、ほぼ確定だろう。梶谷の定位置だったセンターが空くものの、候補はひしめいている。日本シリーズに進出した3年前に143試合フル出場した桑原将志、昨年オールスターにも出場した神里和毅、未完の大器と言われる細川成也、昨年のオープン戦首位打者である楠本泰史と人材は豊富だ。
「DeNAにとって、実は梶谷の流出はそれほど痛手にはならない。むしろ、巨人のイキの良い投手が獲れるチャンスと考えているかもしれない。実際、2016年オフに山口俊の人的補償で獲得した平良拳太郎が先発の一角を占めていますし、広島で花開いた一岡竜司のような逸材も眠っているのが巨人なのです」