12月25日まで販売されている「年末ジャンボ宝くじ」。新型コロナは第3波が襲来して再び自粛の動きが出ているが、年末ジャンボには億万長者の夢をみる気晴らしとしての期待が高まっている。「今年はキャンセルしたレジャーのお金で、くじをたくさん買おう」という人もいるだろう。では、宝くじをまとめ買いすると、確実に当たる賞金がどれだけ増えるのか──。ニッセイ基礎研究所主席研究員の篠原拓也氏が考察する。
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そろそろ年末年始のスケジュールを考える時期だが、いまコロナの第3波が来ており、帰省や旅行をどうしようか悩んでいる人も多いはずだ。そんな中、レジャー資金の活用先のひとつとして有力なのが、年末ジャンボ宝くじだ。
年末ジャンボの最高当せん金は、1等前後賞あわせて10億円。「毎年、連番で10枚買っているが、今年は帰省を諦めたので、浮いたお金で100枚買う」などと、まとめ買いを考えている人もいるだろう。
では、宝くじをまとめ買いするとどうなるか、考えてみよう。
確定還元率20%の「福連100」「福バラ100」
宝くじは1枚だけ買う人がいる一方、何枚もまとめて買う人もいる。まとめて買う場合、買い方にはいくつかの種類がある。
よく知られているのは、「連番」や「バラ」の10枚買い(代金3000円)だろう。10枚を連続の番号で買うのが連番、バラバラの番号で買うのがバラだ。連番には1等前後賞10億円が当せんする可能性があり、バラには1枚ごとに当せんの期待感がある。
連番は当然だが、バラでも番号の下1ケタは0~9まで1枚ずつ買うので、10枚のうち1枚は確実に末等(賞金300円)が当たる。支払った代金に対して確実に受け取れる賞金がどれだけあるか、その割合を「確定還元率」と呼ぶことにしよう。3000円の代金を支払って、300円の賞金が確実に受け取れるから、連番やバラの10枚買いの確定還元率は10%(=300円÷3000円)だ。
それでは、まとめ買いの枚数を10倍の100枚にしたらどうなるか。これは「福連100」とか「福バラ100」と呼ばれる買い方だ。福連100は、組は10種類で各組の番号の下2ケタを00~99でそろえた買い方だ。番号の下2ケタを100通り全部そろえながら、連番10枚を10セット買うイメージだ。
福バラ100は、組は100種類で各組の番号の下2ケタを00~99でそろえて買う。番号の下2ケタを100通り全部そろえながら、1枚ごとの組も番号もバラバラになるように買う。
どちらも00~99まで下2ケタの100通りを全部そろえて買うのがポイントだ。このように買うと、賞金3000円(末等より1つ上の等)が1本、賞金300円の末等10本が確実に当たる。つまり6000円(=3000円×1本+300円×10本)の賞金を確実に受け取れる。100枚のくじの代金は3万円だから、確定還元率は20%(=6000円÷3万円)となる。
ところで、なぜ「福連100」「福バラ100」のように「福」の字が入るのか。くじを100枚買うと福があるということなのか。買い方の名前にも深い意味があるのかもしれない。