コロナ禍で自粛ムードの2020年の冬は、巣ごもり消費で刺激を求めて“おうち激辛”を楽しむ人が増加し、辛い商品も続々登場している。
「1980年代、激辛スナックが人気を集めた第1次ブーム、エスニックフードが登場した1990年代の第2次ブーム、蒙古タンメンやハバネロが話題となった2000年頃の第3次ブームを経て、マー活や麻辣味ブーム真っ只中のいまが、第4次といわれています」と話すのは、1級フードアナリストで激辛料理専門家の金成姫さん。
「辛みは味蕾で感じる味覚とは異なり、口腔内や舌に存在するカプサイシン受容体で感じる痛みに近い感覚。辛いものを食べると発汗を促すとともに、唾液が出て食欲増進効果をもたらします。その一方、食べすぎると粘膜や気管支を刺激して胃痛や胃もたれ、せきや息切れ、痔を悪化させる可能性もあるので注意しましょう」
と、糖尿病専門医の市原由美江さんは言う。また、管理栄養士の山内寿子さんは、次のように語る。
「辛みがあると薄味でもおいしく食べられるので減塩効果を高めます。そして代謝が上が
って体全体の血行がよくなり、温まる利点もあります」
では、厳選した激辛食の「初級編」を紹介しよう。量を調節できる調味料や、初心者でも安心の辛旨系をセレクト。苦手な人にもおすすめだ。
●シビ辛チャイナ 蔵-KURA『担々麺』
「痺れる辛さの麻辣味好きに食べてほしい」(金さん・以下同)。酸菜魚麺と同じ魚スープに青唐辛子の酢漬けや自家製ラー油と花椒油で辛みを増強。味を完全再現した冷凍品は、店頭で1個833円(通販は4個〜)。
●古樹軒『羊名人』
羊肉料理用に開発されたスパイスだが「唐辛子や花椒の麻辣にクミンの風味もあり、スパイシー料理に重宝しています」。唐揚げやフライドポテトのアクセントにも絶好。40g・300円。通販可。