プロ野球で今季、史上2番目の若さで2000本安打を達成した巨人の坂本勇人(32)。榎本喜八(オリオンズなど)に次ぐスピード達成だが、もしリーグが違っていたら、道のりは順調ではなかったかもしれない。
阪急ブレーブスなどのエースとして歴代2位の350勝を挙げた野球評論家・米田哲也氏の評価は厳しい。
「坂本は“内角打ちの名手”なんて呼ばれているが、日本シリーズを見る限りそれは過大評価です。本当にインコースが得意なら、もっとベースに近づいて打席に立つはず。坂本はあれだけベースから離れていても、ソフトバンク投手陣の徹底したインコース攻めに対応できず、詰まらされていた。彼の内角打ちはセだから通用しているだけ。やっている野球のレベルの違いが露呈した印象です。
もちろん、いいバッターなのでいずれ2000本を打ったでしょうが、パが主戦場なら数年は達成が遅れていたかもしれません」
パとセでは野球のレベルが違う──米田氏の言葉を裏付けるように、近年ではパからセに移って輝きを取り戻す選手が増えている。
ヒットメーカーとして知られる坂口智隆(36)は、オリックス在籍終盤は長く不振に喘いでいたが、2016年にヤクルトに移籍して復活。リーグの打率上位に名を連ねた。今季前半、楽天で不振に喘いでいたウィーラー(33)も巨人にトレードされ大活躍。日本シリーズでは本塁打を放つなどひとり気を吐いた。
ソフトバンクでファームに追いやられていた内川聖一(38)も、ヤクルトへの入団が決定した。「セならまだ通用する」との声が聞かれる。もはやセは“格落ち”扱いなのだ。