フィギュアスケーターや元フィギュアスケーターのYouTube進出が続いている。宇野昌磨選手や本田姉妹、村上大介選手に安藤美姫さん、そして世界選手権に3度出場するなど数々の実績を残し、引退後はフジテレビに9年勤務、現在はジャッジとしても活躍する中野友加里さんもYouTubeを始めた一人だ。フィギュアスケートはここ十数年で急激に人気スポーツになったが、長くマイナースポーツだった上に、競技経験者は少ない競技だ。情報や知識を得たいファンは多い。選手や元選手たちのからの直接の発信は、フィギュアスケートをどう変えるのか。YouTubeだから伝えられるフィギュアスケートの魅力とは。中野さんに話を伺った。
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6種類のジャンプを地上で実演
──「フィギュアスケーター中野友加里チャンネル」は、21年間のご自身の競技生活をもとに、ファンと選手、両方に対して、様々な情報を伝える番組です。はじめられたきっかけは何でしたか?
中野:いま、フィギュアスケートファンは増えていて、みなさんとても熱心に応援や勉強をされています。ルールであったり、選手の特徴などをよくわかっていらっしゃる。そういうファンの方々に、私自身がやっていた視点から、まだ知られていないかもしれないことをお伝えしたいと思いました。フィギュアスケートの裏側や、マニアックな一面などを知ってもらえたら、もっと応援してもらえるのではないか。そういう気持ちで始めました。
──たとえば6種類のジャンプを、地上で実演しながら説明されています。一見よく似ているルッツとフリップの見分け方、よくわかりました。
中野:実際にやっているところを見せられるのがYouTubeのいいところですよね。今後は見てくれる方が真似できるようなポーズとか、陸上トレーニングなども、実際にやってお見せしたいと思っています。フィギュアスケートは普段の生活ではあまり使わない筋肉を使うので、どこの筋肉を使っているのかなど、もっと切り込んでお伝えしたいですね。
──技術面だけでなく、フィギュアスケートにまつわる様々なことを、実体験を踏まえてお話されています。たとえば、高いものだと100万を超えるといわれる衣装の値段とか。ダイエットの方法とか。
中野:衣装は選手にとって戦闘服みたいなもので、大変重要です。衣装を作るためだけに海外に渡る選手もいます。私の場合は、母が衣装を作るのが好きだったので、母に作ってもらっていましたが、フィギュアスケートがブームになるにつれて、衣装の重要性を再認識し、ロシアのデザイナーの方に頼んだりもしました。衣装によって値段がけっこう違う話を、YouTubeではしています。
ご存じの方が多いと思いますが、フィギュアスケートは何かとお金がかかります。リンク代をはじめ、どういうところにどのくらいかかるのかを正直に伝えることで、これからフィギュアを始めるお子さんや親御さんの参考になればいいなと思っています。