中国で2018年に習近平国家主席の看板に墨をかけた女性(31)が11月下旬、2年半近く当局の監視下に置かれていると明かし、「長期間自由を奪われて、死んだ方がまし」と涙ながらに訴える動画をツイッターに投稿した。しかし、その直後に再び消息を絶っていることが分かった。
すでに、この動画も消去されているほか、この女性を支援していた人権活動家も中国当局によって身柄を拘束されていることも判明した。
この女性は湖南省出身の董瑶瓊さん。2018年7月に上海で「習近平の専制、暴政に反対する」と訴え、看板の習氏の顔に墨をかけた後、動画を投稿サイトに掲載した。上海の警察当局はすぐに董さんを割り出して、身柄を拘束し、精神疾患の治療名目で湖南省の病院に収容した。
その後、昨年11月に解放されたが、今回の彼女の告白によって解放後も当局は監視を続けていたことがわかった。
彼女の告白映像は国際的にも大きな反響を呼び、国際的な人権団体や米政府系報道機関「ラジオ・フリー・アジア(RFA)」や「ボイス・オフ・アメリカ(VOA)」のほか、BBCやニューヨーク・タイムズなどの報道機関が大きく報道した。すると、彼女の自宅周辺では、警官隊が24時間で警戒態勢を敷くなど、当局はかなり神経をとがらせている様子が見受けられるようになった。
この告白動画が公開された後、同じく湖南省の彼女の自宅の近隣に住む人権活動家の彪峰発氏がすぐに彼女を見舞ったところ、すでに彼女は姿を消していたという。告白映像もすぐに消去されている。