年末の恒例となっている漫才日本一決定戦『M-1グランプリ 2020』(ABC・テレビ朝日系)の決勝戦が12月20日に開催され、マヂカルラブリーが優勝した。
大会史上最多となる5081組がエントリーした今年のM-1。新型コロナウイルスの影響で大会の開催が危ぶまれた時期もあった。エンタメ事情に詳しいフリーライターの大塚ナギサ氏はこう話す。
「1回戦は無観客での開催で、2回戦以降も観客数を通常より減らして実施したので、客席の“ウケ”の評価が難しく、審査も簡単ではなかったと思います。また、例年は3回戦のあとに準々決勝なのですが、今年が3回戦がなく、全体的にタイトなスケジュールで予選が行われていました。そういった影響もあってか、早い段階で過去の決勝進出コンビやテレビで活躍しているコンビが落選するなどの番狂わせもあり、いろいろな意味で異例の大会だったと言えます。そんななか、独自のスタイルを貫いたマヂカルラブリーが優勝したというのも、ある意味”異例の大会”を象徴する結果なのかもしれません」
狂気に満ちたボケの野田クリスタルが暴れまわり、それを村上が逐一ツッコんでいくスタイルのマヂカルラブリー。野田は今年3月に行われた『R-1ぐらんぷり2020』で優勝しており、これで2冠となった。
M-1チャンピオンといえば、一夜にしてスターダムを駆け上がり、翌年に大ブレイクをするというパターンが多い。2018年の王者である霜降り明星の大活躍はいうまでもなく、2019年の王者・ミルクボーイも多数のCMに出演するなど大人気となっている。マヂカルラブリーも、彼らと同じようにブレイクするのだろうか。
「野田はR−1で優勝したものの、意外とテレビ出演が増えず、そこを自虐的にイジること多かったんですが、M-1も優勝したとなれば、さすがに本格的なブレイクが近づくでしょうね。ただ、ボケが突き抜けすぎている部分もあり、時に伝わりづらくなってしまうのが不安材料ですね。でも、基本的にはバカバカしい要素が強くて、ポップなので、テレビ向きではあるはず。ネタを披露するタイプの番組であれば、確実に結果を残すと思います」(お笑い関係者)
野田にスポットが当たることが多いマヂカルラブリーだが、ツッコミの村上もまた、ポテンシャルを秘めているという。