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宇崎竜童が振り返る紅白歌合戦「誰かと喋った記憶ない」

作曲家として、歌手として、宇崎竜童は紅白にどんな思い入れが?

作曲家として、歌手として、宇崎竜童は紅白にどんな思い入れが?

 大晦日恒例の「NHK紅白歌合戦」に出場することは歌手にとって大きな名誉だが、そこで歌われる曲を作った作曲者にとっても感慨はひとしおのはず。1975年にダウン・タウン・ブギウギ・バンドでとして紅白に出場し『港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ』を披露した一方、作曲を手掛けた高田みづえの『硝子坂』やジェロ『海雪』などが紅白で歌われた宇崎竜童が、「忘れられぬ大晦日の夜」を振り返る。

 * * *
 70年代から大晦日は『ニューイヤーロックフェスティバル』に出演していました。内田裕也さんが「打倒!紅白歌合戦」を掲げるイベントです。ところが、1975年にダウン・タウン・ブギウギ・バンドとして紅白に選ばれた。

 裕也さんに伝えると、「クァッ~~!」と奇声を発しました。ロックフェスの出演者は数日前から、NHKホールの前で宣伝チラシを配る。僕らも参加して「紅白なんてぶっ飛ばせ!」と書かれた紙を道行く人に渡しました(笑い)。

 この年、僕が作った『もっと自由に』を和田アキ子さんが歌ったんですか? 初めて知りました(笑い)。出番前、モニターも見ていませんでしたからね。紅白の楽屋は大部屋でロックバンドは僕たちだけ。すごく違和感がありました。大御所がいても、「こっちからは挨拶しなくていいからな」と突っ張って、誰かと喋った記憶もないです。

 ただ、三波春夫さんは挨拶に来てくださった。分け隔てなく丁寧に接する方で、その後『でんぐりブギ’77』という曲を書きました。くだらない歌だったからか、紅白では歌われませんでしたね(笑い)。

 山口百恵さんがトリで『プレイバックPart2』(1978年)を歌った時は、移動中にカーラジオで聴いていました。この年も、裕也さんのロックフェスに出ました。感慨深さは特に……百恵さんの歌唱力とパフォーマンスがあってこその歌ですから。この紅白からNHKでも『真っ赤な車』ではなく、『真っ赤なポルシェ』と本来の歌詞で歌われるようになったんですか? そうでしたか。

 紅白で歌われた自分の曲を思い出すと、田原俊彦さんの『あッ』(1986年)、瀬川瑛子さんの『笑いじわ』(1996年)、鳥羽一郎さんの『海よ海よ』(2002年)……従来のイメージを変えたい時に僕に依頼が来ているように思います。元々、歌手より作曲家として生計を立てたいと思っていたので、紅白でたくさんの曲が歌われて、本当にありがたいです。

【プロフィール】
宇崎竜童(うざき・りゅうどう)/1946年2月23日生まれ、京都府出身。73年、ダウン・タウン・ブギウギ・バンドとしてデビュー。

※週刊ポスト2021年1月1・8日号

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