新型コロナウイルスの感染拡大で大きな打撃を受けながらも、巣ごもり需要をいち早く取り込み大躍進した韓国のエンタメ業界。特に、人気アイドルグループ「BTS(防弾少年団)」は米ビルボードのシングルチャートで全米1位を獲得するなど、世界的なヒットを記録した事は記憶に新しい。そんな中、アジア最大級の音楽祭「MAMA2020(Mnet ASIAN MUSIC AWARDS)」が12月6日開催された。ソウル在住のKDDI総合研究所特別研究員・趙章恩さんがレポートする。
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2020年の韓国のエンタメ業界は、2月に映画『パラサイト 半地下の家族』が第92回アカデミー賞で4部門を受賞した事から始まり、『愛の不時着』をはじめとした韓国ドラマが日本で大ブームとなったり、BTSが「Billboard Hot 100」1位を獲得し、第63回グラミー賞にもノミネートされるなど、映画やドラマ、音楽など韓国発のエンタメコンテンツが海外で愛された1年となった。
米TIME誌は、BTSを「世界で最もビッグなバンド」とし、「今年のエンターテイナー(Entertainer of the Year)」に選定。BTSの躍進を受けて、韓国メディアは2021年1月に開催されるグラミー賞で、BTSが最優秀ポップ・パフォーマンス賞(グループ/デュオ部門)を受賞するのではないかと大いに期待している。
そんな中、韓国では音楽や映画、ドラマ、ゲームなどエンタメ業界の1年を締めくくる授賞式が相次いで開催されている。特に注目度が高いのが、12月6日オンラインで開催された年末恒例の音楽アワード「MAMA2020(Mnet ASIAN MUSIC AWARDS)」だ。MAMAは、「音楽でひとつになるアジア最大級の音楽授賞式」をキャッチフレーズに、韓国や日本、ベトナム、香港などで毎年開催・放送されてきた。今年はコロナ禍ということもあってか、MAMAの開催中、アメリカや日本、ブラジル、イギリスなど世界68地域でTwitterリアルタイムトレンド1位を獲得するほど視聴者が多かったようだ。
授賞式では、アーティスト賞、歌賞、アルバム賞など、BTSが計8部門を受賞。大賞4部門を2年連続で総なめにした。今年の活躍ぶりを見れば当然の結果だろう。そのほか、女性グループ賞は日本でも人気が高い韓国ガールズグループ「BLACK PINK」が、インスパイアード・アチーブメント賞はBoAが受賞した。
BTSメンバーの末っ子ジョングクは授賞式で、「私たちに熱情、覇気、毒気(必死になるという意味)しかなかった時代があったが、ARMY(BTSファンの呼称)の皆さんが真心と愛情を教えてくれた」とコメント。BTSとARMYの絆は有名だが、マンネ(末っ子)の口から「ファンから愛を学んだ」という言葉が出てきたのは、ARMYにとってはこの上ない喜びだったのではないだろうか。