1年を締めくくる一大イベント「NHK紅白歌合戦」に出場することは、アーティストにとっては大きな名誉。同時に作曲家にとって自身の楽曲が紅白で歌われることも、大きな喜びであろう。その両方を経験したのがつんく♂だ。シャ乱Qとして、1995年の『ズルい女』から3年連続で紅白に出場し、作曲家として手掛けた楽曲をモーニング娘。や松浦亜弥らが紅白で歌唱している。そんなつんく♂に、紅白歌合戦への思いを聞いた。
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子供の頃、実家の乾物屋が大晦日まで商売をしていたので、『紅白』は片付けをしながらラジオで聴いていました。テレビでは時折、配達先の店で見かける程度で、家でコタツに入ってじっくりは観られなかった。なので時代を反映する人気番組に、どこかコンプレックスやジェラシーを感じていましたね。
1988年にシャ乱Qを結成し、1992年にメジャーデビュー。3年後、『ズルい女』(作詞・作曲つんく)で初出場できました。その年に頭角を現わした歌手が務める傾向のある“トップバッター”だったので、オセロの角を1つ取ったような気分でした。ただ、ロックバンドとして「あくまで仕事の一つ」とカッコつけて大はしゃぎしなかったな。
1998年、自分がプロデュースするモーニング娘。が『抱いてHOLD ON ME!』で初出場した時には、自分が認められたような2倍の嬉しさがありましたね。本人たちが本当に喜んでくれている姿を見て、「俺もこういうリアクションができる大人にならなきゃなぁ」なんて客観的に思いました。
翌年9月発売の『LOVEマシーン』は1週目より2週目以降の売り上げが増え、有線リクエストにも数か月間ランクイン。アイドルらしからぬロングヒットとなり、この曲を紅白で歌ったことで、翌年になっても支持されたのだと思います。