コロナ禍で迎える年末年始に健康や通院の不安を抱える人は多いのではないか。病院が休みのときに発熱したらどうしたらいい? 持病で通院したいが、医療崩壊、院内感染のニュースを見ると足が重い……そんな声はあちこちで聞く。『週刊ポスト』(2020年12月21日発売号)では、「2021年を幸せに迎えるために」と題した大特集のなかで、病院に行くべきケースと行かないほうがいいケース、さらには通院をやめて健康が回復したという人たちの衝撃データも紹介している。
なかでも不要不急と考えて敬遠しがちなのが健診・検査だろう。同特集で医療者の立場からアドバイスをしているナビタスクリニック川崎の谷本哲也医師(内科専門医)に、改めて健診・検査の「やるかやらないか」の考え方を聞いた。
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グローバル化した現代社会において、感染症によって、これだけの状況になったことは初めてで、なにが正解かというのは難しいと思います。しかし、世界的に健診・検査が減りすぎて、コロナ以外の他の病気が逆に増えているという問題が起きています。コロナを警戒しなければならないのは当然ですが、病気はほかにもたくさんある。コロナを心配しすぎないことも大事なのです。
基本的には健診や検査は推奨されるとおりに受けたほうがいいと思います。コロナがあってもなくても健診や検査の必要性は変わらない。特に心臓病やがんなどの既往歴がある人は、まず主治医に相談するのがいいでしょう。
ただし、「念のためにやりましょうか」といった検査は、いったん先延ばしにしてもいいと思います。糖尿病とか脂質の異常とか、多い人だと毎月検査を希望しているケースもあるので、これまでの検査でそんなに数値が変わっていないようなら、しばらくは頻度を下げてもいいと思います。また、自分でチェックできることを、あらためて見直してみることも大事です。体重、体温、血圧、毎日の歩数などは自分でわかるはずです。手間もコストもかけず、そして感染リスクを取らずに健康管理する方法も考えてください。
ここからはコロナ時代とは関係なく、いつでも考えてもらいたいことになりますが、健診や検査にもリスクはありますし、お金もかかります。自分の人生を考えて、本当に必要かどうか判断する必要があります。多くの人が見落としているのが「自分の年齢」です。はっきり言えば、寿命があとどれくらいあるかを考えてほしいのです。