2020年12月31日をもって、活動休止する嵐。併せて、9月14日から3ヶ月半にわたって活動してきた『HELLO NEW DREAM. PROJECT』も終了する。
嵐と賛同企業13社は、夢を見る人、夢を持つことを応援したいという想いでこのプロジェクトをスタート。嵐のデビュー曲『A・RA・SHI』の歌詞の一節、「夢だけ持ったっていいでしょ?」をテーマに、夢を持つきっかけ作りとなるさまざまな施策を行ってきた。
今年は、コロナ一色の一年だった。先が見えにくい今だからこそ、「夢だけ持ったっていい」というメッセージは心に刺さる。一体このプロジェクトは、いつ頃考案され、制作陣は、そして嵐は、どういう想いで今まで続けてきたのか。制作チームで指揮をとったクリエイティブディレクターの皆川壮一郎氏に話を聞いた。
構想は一年半前。「夢」をテーマにした理由
嵐の活動休止が発表されたのは、2019年1月27日。プロジェクト構想が立ち上がったのは、同年夏頃だったという。〈嵐のメンバーたちがこんなことをしたがっている〉として、皆川氏が聞いたのは、次のような内容だった。
一般的に、活動休止や解散という場合、タレントは「さようなら」とか「ありがとう」と言われる側。でも、僕たちこそが21年間お世話になったので、「ありがとう」と言いたい。そして、みんなを元気づけたい――。
その時はまだ、2020年は五輪が開催される予定だった。ただし五輪後、社会がどうなっているかは未知数だ。「僕たちの予想では、五輪が終わって、ロスになっている人が多いのではないかと。そこで、次の一歩を踏み出すために、『夢』をテーマにしようと決まったんです」(皆川氏)
1999年9月15日に結成した嵐。2007年、初めて東京ドームに立つまでに8年かかった。そして結成から10年目、2009年の『紅白歌合戦』に初出場すると、「苦節10年」などと大きな話題となった。順風満帆、ではなかった。
しかし、嵐は当初から、「世界中に嵐を巻き起こす」のが夢だと言い続けてきた。苦しい時期があっても夢を大切に走り続け、今や国民的アイドルになった嵐だからこそ、皆川氏は「『夢』を語るにふさわしいと思った」という。