仕事の目的が「金銭を得ること」「利益を上げること」であるのは間違っていないが、目的が「それだけ」になっている状態は果たして健全と言えるのか。その仕事の内容、やり方がどれだけ反社会的だったり倫理観に乏しいとしても、金儲けができる=有能と単純に結びつけるのは何かが狂っていないだろうか? 運営するブログやホームページなどにアフィリエイト広告を掲載する「副業」で本業を上回る収入を得ていたものの、違法コンテンツに頼っていたためすべてを失った40代男性の後悔とこれからについて、ライターの森鷹久氏がレポートする。
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「後ろめたい気持ちはずっとあった。ただ、これでお金が稼げるし、良い生活ができる。辞められなくなったんです」
北関東某市在住の作業員・福田翔平さん(仮名・40代)は元々、都内の化学メーカーに勤務する平凡なサラリーマンで、かつての年収は490万円ほど。妻と幼稚園に通う娘の三人で、古いが住み心地は良かったという社宅で暮らしていた。贅沢をしなければ何不自由なく生活ができたし、貯金もできていた。あと数年もしたら頭金を用意して、郊外に戸建てを建てよう、そんな夢を妻と語り合ったりもしたという。堅実だった男性が後ろめたさを感じつつも、辞められなくなってしまったのが、アフィリエイトで収入を得る「副業」だった。
遡ること15年ほど前、きっかけは、その後、副業にどっぷりハマってしまったときの動機「金儲け」とは無縁のところから始まった。
「何気なくSNSを見ていたところ『アイドルの放送事故映像』という文字が目に飛び込んできました。そのアイドル、私が昔からファンだった子で、思わずそのリンクを踏んじゃったんです。本当に軽い気持ち、どれどれ? というような……」
福田さんが踏んだリンク先には、そのアイドル女性が制服姿で映る動画があった。女性が向きを変えた瞬間、着用していたミニスカートがふわりと浮き上がり、下着が見えたような気がしたが画質が悪く、よくわからない。しかし、ちょっと得した気分に浸り、何気ない気持ちでその映像をダウンロードしたのである。